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2011/12/25(Sun.) 第70号 1234・5/5 INDEX
第3回「日医連医政活動研究会」ブロック別研究会を開催

十二月十一日 近畿ブロック開催

(当番県 滋賀県医師連盟)

(近畿ブロック)   パネルディスカッションにて議論する
研究会メンバー(近畿ブロック)
 

 去る十二月十一日、近畿ブロックにおける第三回「日医連医政活動研究会」が大津市内にて開催された。当番県である滋賀県医師連盟が主体となり他五府県の協力のもと、各県の研究会メンバーと地区医師連盟役員等約百九十名が参加した。当研究会開催運営に関しては、各県の研究会メンバーらが事前打合せ会をするなど積極的な協議を踏まえた運びとなった。
 当日は、小鳥輝男滋賀県医師連盟副委員長が司会進行役を務め、横倉義武日医連副委員長による基調講演ののち、パネルディスカッションにおける各県研究会メンバーの意見発表と参加者全員との討論会が行われ、忌憚のない活発な意見交換が行われた。
 まず、笠原吉孝滋賀県医師連盟委員長の挨拶で始まった。笠原委員長は、「日本の素晴らしい医療を守っていくことは我々の責務である。医療政策を政治の世界で実現するため、医政活動がとても重要であると改めて感じる。今研究会においては、参加者の皆さまからたくさんの意見を出してもらい有意義な会にしていただきたい(要旨)」と述べた。
 基調講演の部に移り、横倉副委員長が、「陳情活動の重要性と選挙活動等について」と題して、次のように挨拶し、講演を行った。
 「会員の声を反映し、連盟活動につなげていかなければならない。そのうえで、各都道府県医師連盟および各郡市区医師連盟の協力のもと、ひとつの目標に向かっていく必要がある。そのためにも医政活動研究会を立ちあげ、若手医師の先生方に医政活動に対する理解を深めていただきたい。今研究会はブロックごとの開催であるが、今後、各都道府県医師連盟および各郡市区医師連盟でこのような研究会活動を行って、共通認識を深めていただきたい(要旨)」
 講演内容については、「政策提言とその過程」「民主党の政策決定システム」「政策決定への医師会(医師連盟)の関わり方」等の政治家への陳情活動(政治活動)の重要性を説明した。さらには、「直面するいくつかの政治課題」として事業税、四段階税制、消費税の税制問題や医師をめぐる法的規制(医師法二十一条関連)等の政策面について講演した。
 そののち、パネルディスカッションの部に移り、笠原委員長が座長として進行役を務め、コメンテーターとして横倉副委員長と藤川謙二日医連常任執行委員が対応した。各六府県の研究会メンバーがパネラーとなり、次の題目で意見発表が行われた。
 奈良県―友岡俊夫先生の「医政活動復活への希望」、和歌山県―寺下史朗先生の「もっと実地医家の意見を反映させよう」、京都府―松井道宣先生の「これからの医政活動はどうあるべきか」、大阪府―北村良夫先生の「TPPと税と社会保障の一体改革について」、兵庫県―山根敏彦先生の「兵庫県医師連盟の取り組み―その重要性―」、滋賀県―古倉みのり先生の「発信から改革へ」
 各研究会メンバーの意見発表は、非常に興味深い内容となり、今後の連盟活動において、組織対応策等改めて考えさせられるものとなった。
 意見発表後、全体討論会として参加者全員を対象に意見交換が行われ、医師会活動のあり方、連盟活動における支援策や問題点、医療政策等多岐にわたる闊達な議論が交わされた。
(意見抜粋)
 「兵庫県医師連盟役員がマンツーマンで地元国会議員を決めて対応していることに関して、国会議員の政策の考え方等をどのように識別しているのか(和歌山県)」
 「政党支援に限定することなく、国民医療を守るというコンセンサスをもっている議員個人を支援することが必要(兵庫県)」
 「医師会の考え方を、会員向けにわかりやすい言葉で情報発信してほしい(奈良県)」
 「受診時定額負担に関して、百円導入した場合、患者の重症化に伴う医療費がどれだけ負担になってくるかなど調査して提言していくべき(大阪府)」
 「守るべきものは制度ではなく国民である。既得権益を捨てて国民を守るべきと考える(滋賀県)」
 「若い医師たちが希望をもって働けるようなビジョンを示してほしい(京都府)」
 これら多くの意見に対して、パネリストやコメンテーターが丁寧に説明を行い、一時間という限られた時間にもかかわらず参加者の熱い思いが伝わる活発な討論の場となった。
 研究会終了後、懇親会が行われ、参加者らの間で引き続き意見が交わされた。

以上

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