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2011/12/25(Sun.) 第70号 12・3・45/5 INDEX
第3回「日医連医政活動研究会」ブロック別研究会を開催
 第三回「日医連医政活動研究会」が、すでに各ブロックにおいて開催されているが、今回は、東北ブロック、東京・関東甲信越ブロック、近畿ブロックの三カ所で開催された。
 第三回「日医連医政活動研究会」は、全国を六ブロックに分けて開催することが、去る六月十二日開催の第二回「日医連医政活動研究会」において決定された。
 今回は、東北ブロックとして当番県である宮城県医師連盟が十一月十九日に仙台市で、東京・関東甲信越ブロックは十一月二十七日に千葉県医師連盟が東京都内で、近畿ブロックは十二月十一日に滋賀県医師連盟が大津市で、それぞれ研究会を開催した。

十一月十九日 東北ブロック開催

(当番県 宮城県医師連盟)

(東北ブロック)   ディスカッションする研究会メンバー
(東北ブロック)
 

 東北ブロックにおける第三回「日医連医政活動研究会」が、十一月十九日に仙台市内のホテルにおいて開催され、東北六県から研究会メンバーと各県医師連盟役員・若手医師連盟会員等多数が参加した。
 当日は、阿部信一日医連医政活動研究会東北ブロック幹事長の司会進行のもと、代表挨拶として伊東潤造宮城県医師連盟委員長と藤川謙二日医連常任執行委員の挨拶があった。このなかで、伊東委員長は「本日は若手医師の研究会だが、各県の役員クラスにも出席いただき必要なご意見を賜りたいと考えている。ただし、あくまでも若手医師の皆さんの活発なご意見を期待したい」と述べた。
 また、藤川常任執行委員は、「この研究会は、若手医師に日医の医療政策を勉強していただき、その実現のために、政治家への陳情活動(政治活動)の重要性を認識してもらうための場である。そして、将来の日医連の中核となる医師を養成するのが目的である。日医連は、いかなる政党が政権を取ったとしても、日医(日医連)はあくまでも国民の立場に立った医療政策を推進し、それを実現するために全力を尽くす所存である」と挨拶を行った。併せて、来年開催予定の北海道ブロックから、当日オブザーバー参加の長瀬清北海道医師連盟委員長からも挨拶があった。
 引き続き、宮城県選出の櫻井充参議院議員(民主党政策調査会長代理・前財務副大臣)の基調講演があり、「環太平洋経済連携協定(TPP)とはなにか」について説明がなされた。
 櫻井議員はこのなかで、「今日までの日米関係において、とくに小泉政権時代、米国から毎年のようにわが国に対して『年次改革要望書』が提出され、それに基づき各種の規制改革が進み、その結果数多くの制度改正がなされてきた。それは、(1)米国住宅の対日輸出を促進するための「建築基準法改正」(平成十七年度実績ベースで、平成四年度比約六倍の伸び)、(2)米国型訴訟ビジネス社会到来に備え、わが国弁護士と外国法律事務所弁護士との連携・協働を推進することを目的とした「司法制度改正」、(3)わが国公的保険制度の一部を民間保険会社に代替すべく、米国生命保険会社の対日進出を支援するための「保険第三分野(癌・医療・介護・障害)の完全自由化」、(4)「郵政民営化」、(5)「外国人株主比率増大に伴う配当金増大政策の推進」等であるが、今次TPP議論を行うに際して、これら改正時における米国の圧力を忘れてはならない。自分個人としては、TPPは関税撤廃の問題だけではなく、日本国内における各種法律の改正を求められるものであり、到底容認することはできない(要旨)」旨の説明があり、出席者から多くの質問が出された。
 次に、「医療崩壊をふせぐため」や「今後の社会保障のあり方」、さらには「医政活動の重要性」につき、参加者全員によるディスカッションが行われた。
 参加者からは、「勤務医時代を思い返せば、医療訴訟への懸念が強く、医療事故対策を講じることが緊急テーマ(青森県)」「田舎では、病院・医師がどんどん減っている現状であるが、これへの対策として昔の医局制度を再度検証してみることも必要なのではないか(北海道)」「地方の病院経営の経営安定化のために公的病院と民間病院の合併を市長等に提言しているが、公的病院の体質面で問題があることからなかなか進んでいない(山形県)」「日本の医療制度は素晴らしいものであるが、デメリットもあり、それは、たとえば過度のフリーアクセスや高齢者の方が毎日のように病院に受診に来られていること(秋田県)」「本日の櫻井先生の講演内容を何故民主党として広く国民に流さないのか(宮城県)」「若手の勤務医等が積極的に医政活動に参画してくることは残念ながらみられないが、勇気をもって先輩医師に意見を具申する必要がある(福島県)」等極めて活発な意見が出された。
 研究会閉会後の懇親会においては、まず石川育成岩手県医師連盟委員長の挨拶、谷雄三福島県医師連盟委員長の乾杯の音頭を皮切りに、各々が意見交換をするなど、予定時間を大幅に超過するほどの熱の入った懇親会であった。

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