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2010/2/25(Thu.) 第59号 1・2・345/5 INDEX
日本医師連盟執行委員会開催
平成20年度収支決算、22年度負担金負担基準額を承認

日本医師連盟執行委員会開催/平成20年度収支決算、22年度負担金負担基準額を承認(写真)

 1月19日(火曜日)、日本医師連盟は執行委員会を開催し、平成20年度収支決算、22年度負担金負担基準額について審議を行い、全会一致で原案どおり承認した。

 内田健夫常任執行委員の司会により開会。冒頭、唐澤人委員長は次のように挨拶した。
 「日本医師連盟執行委員会に参集いただき感謝申しあげる。本日は平成二十年度収支決算、二十二年度負担金負担基準額について審議を賜るが、円滑な議事運営をお願いする。
 ところで、四年前の日本医師会会長選挙の際に政治の介入があったのではないかと取りざたされているが、医師の使命はあくまでも国民の健康、生命を守ることにある。その使命を、日本医師会をはじめ各地区医師会が持ち続けてきたからこそ今日の発展があるわけであり、その点に関しては私自身、いささかのぶれもない。しかし、骨太の方針二〇〇二以来、ことあるごとに医療財源が削減され今日の医療崩壊がもたらされた現状を振り返るまでもなく、国民医療を守るには政治と関わらざるを得ないのが実情である。そうした思いを抱き会長選挙を通して発言してきたが、政治の介入や関与を依頼した事実はまったくなく、そうした誤解があるとすれば、私にとっても極めて迷惑なことである。
 七月には参議院議員通常選挙が実施されるが、西島英利議員は医師として、また元日本医師会役員として地域医療を担い、さらには政治家としての役割を果たしながら医療現場の意見を実現させていこうという熱意に燃えた人材であり、七月の参議院議員通常選挙においても日本医師連盟は継続して支援していく。今後、新たに政界に打って出ようという会員が日本医師連盟に支援を要請してくる可能性も考えられるが、その際には逐一会員に諮っていくのでよろしくお願いしたい(要旨)」

診療報酬改定等には新たな安定財源の確保が不可欠

 来賓として挨拶に立った西島英利議員は、「一月十八日に開会した通常国会では、政治と金の問題がクロースアップされると思うが、平成二十二年度予算の徹底的な審議も必要と考えている。また、昨年末に診療報酬改定全体で〇・一九%の引き上げが示されたが、結局は財源との関係によらざるを得なかった。税収が落ち込む一方で医療・介護費、年金が増大する状況に対応していくには、新たな安定財源の確保が必要である。二年後には診療報酬と介護報酬のダブル改定があるわけだが、そのための財源確保が非常に厳しく、このままいくと改定に向けた議論ができないという不幸な事態を招きかねない。今通常国会では、財源論についてしっかり議論していくので、ご理解とご支援をよろしくお願いしたい」と国会審議に向け決意を表明した。

両議案を承認未収入金も解消方向に

 議事に移り、まず平成二十年度収支決算について倉品克明会計責任者が説明を行ったのち、「本会計については、一月十八日に会計監督者である寺田俊夫、長田昭夫、清水美津子の各先生による監査が実施されている。また、平成二十年一月一日から十二月三十一日までの収支については、政治資金規正法に基づき収支報告書を総務省に提出し、受理されている」と報告した。
 会計監督者を代表して清水会計監督者は「二十年度収支決算について慎重に監査を行った結果、その収支は妥当であり、帳簿記載も的確であることを認めた」と報告した(別表参照)。
 出席者からは、負担金未収入金について「二十年度分は理解できるが、平成一年度分と昭和六十三年度分の未収入金が、五千万円と五千五百万円ずつ残っている。すでに二十年ほど経過しており、今後どう処理するのか考えを伺いたい(三重)」との質問が寄せられた。
 倉品会計責任者は「過去には、最大で三億円程度あった負担金未収入金が、二十年度には約一億千八百万円に縮小された。そのうち二十年度分についてはすでに納入ずみであることから、現時点の未収入金は約一億六百万円ということになる。執行部では、毎年督促を行っており、負担金未収入金は年々減少している。二十年度にもかなり古い年度の未収入金の納入があった。今後も未収入金の解消に向けて全力で取り組んでいくので協力をお願いしたい」と説明し理解を求めた。
 採決が行われ、全会一致で承認された。
 次に、二十二年度負担金負担基準額について、宝住与一副委員長が「昨年一月二十日に開催された執行委員会において、二十一年度負担金基準額を一連盟会員あたり二万円とすることが承認されたが、二十二年度も二十一年度と同様二万円とさせていただきたいので、よろしくお願いする」と説明した。
 引き続き採決が行われ、全会一致で承認された。

日本医師連盟執行委員会開催/平成20年度収支決算、22年度負担金負担基準額を承認(表)

政権交代を受け、寄付交付金につき見直しを

 採決終了後、寄付交付金について意見が相次いだ。
 「民主党の場合は、今までと同じやり方では寄付交付金を受け取らないと思うが、どのようにするつもりか。民主党が寄付交付金を受けとらなければ、収支バランスはかなり変わってくるのではないか(奈良)」
 「寄付交付金が、どのように使われたのかよくわからないところがある。もう少し具体的なことがわかれば、会員にも説明しやすい(熊本ほか)」
 内田常任執行委員は「寄付交付金については政権交代を受けて見直す方向で検討しているところであり、議員数に応じた配分であるとか、医療政策に対する政治家個人の考え方や取り組みなどを考慮しながら対応していきたいということで動いている。日本医師連盟の収支報告書は年度ごとに総務省に届け出ており、その詳細は総務省のホームページ上にも公開されている」と説明した。
 そのほかに、次のような意見が寄せられた。
 「集票力の弱体化が日本医師連盟の力をそぐのではないかと懸念している。集票力を上げる妙案はないか(福岡)」
 「日本医師連盟と日本医師会の関係をどうするのか。組織的に分離するのか、それとも今のままでいくのか(宮崎)」
 内田常任執行委員は「集票力の件については、今年度新たに立ち上げた選挙対策委員会で議論しており、今後そこでの方向性を示していけるのではないかと思う。日本医師会との組織的な分離については、公益法人制度改革も踏まえながら検討を進めている段階」と回答した。
 最後に、唐澤委員長が長時間の審議に対して謝辞を述べ、散会となった。

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