日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2009/10/25(Sun.) 第57号 12・3・4/4 INDEX
日本医師連盟執行委員会開催
新たな医政活動に向けた第一歩

日本医師連盟執行委員会開催/新たな医政活動に向けた第一歩(写真)

支持政党について活動指針の一部削除を決議

 総括の内容に関連して出席者からは次のような意見が相次いだ。
 「大事なのは政党と仲良くすることではなく政府や行政と協力して日本の医療を守ることである。今後も政局や選挙によって政権与党が変わる可能性があるわけで、医療政策を提言するには支持政党に縛られることなく、どの政党にも中立の立場で主張するのがいいのではないか。政治献金も個人献金で、地元の信頼できる政治家を応援するのがいいと思う(佐賀)
 「日本医師連盟には医療政策提言を実現しなければならないという目的がある。たとえば、日本医師連盟のなかに医療政策を提言できるような検討協議会のようなものを立ち上げ、そこに党派にかかわらず医系議員を集めて医療政策提言について協議を行ってはどうか(愛知)
 「問題は執行部が会員の意見を汲み取れなかったことにある。政権与党だけではなく野党にも充分な対応をするようにとの意見を受け止めなかったことは反省すべきだと思う。同時に執行委員会において今回の方針を決めたわけであり、やはり会員の意見を汲み取れなかったということでは我々も総括しないといけない(奈良)
 「かりに、我々と政権政党の考えが異なり、野党の考えのほうが近いのなら、次の選挙で与党に押し上げればいいわけで、大切なのは日本医師連盟としての基本的な考えをしっかりもっておくことである。民主党が医療費適正化に転じたのは今回の総選挙が初めてであり、その意味では民主党にもきちっと言わなければならない(京都)
 「総括は真摯なものであり全体的な方向性については賛成だが、日本医師会としていえばやはり国民の側に立つということを新たな出発点としなければいけないと考える。その意味では、与野党との良好な協議関係というだけではなく、一定の緊張感をもつことも必要だろう(石川)
 「総括する文章としては説明不足の面があると思う。また、今回の総選挙で各県の会員は六〇%が民主党に投票したとの報道があったように各地区の動きは強制できない。都道府県医師連盟の自主性を排除しないという一文を加えてはどうか(埼玉)
「民主党の政権与党としての成果を一定期間注視し、信頼に足る成果をあげ、将来性があるのかを評価することを提案したい。国民医療に立脚していれば、政権が交代したとしてもある程度普遍的なものになるので、新たな政権にも提言、批判、要請を行うことができる(秋田)
 「衆議院総選挙後に、医師連盟の執行委員に対して、政党支持、日医と日医連の役員構成、西島参議院議員選挙等についてアンケート調査を行った(宮崎)
 「郡市医師会へのアンケートでは、政党支持から少し距離を置き医療の専門団体として独自の医療政策を提言し、国民的支持を集めていくべきとの回答が多かった。中道的立場というのが、今回の政権交代での経験から出た意見と思われる(熊本)
 「日本医師連盟は医療政策を実現するための団体であり、政党に左右されることなく主張すべきことは主張すべきである。ようやく自由になったのだから、これを機に政権政党の方針に反対であれば反対と言うべきである。今まで遠慮して言ってこなかったところに問題がある(沖縄)
 また、日本医師連盟の活動指針が政権交代を想定していなかったというのはおかしいとの意見に対し、中川俊男常任執行委員は「平成十四年に策定された日本医師連盟の活動指針の一に『支持政党は政権与党である自民党とする』とあり、そのこと自体が政権交代を予想していないという意味である。今回の総選挙で民主党が勝つのではないかということは承知していた」と説明した。
 これらの意見を踏まえ唐澤委員長は、「自民党が政権与党を退いたことで、『支持政党は政権与党である自民党とする』との一項は現状にそぐわなくなった」として平成十四年に策定した日本医師連盟の活動指針の第一項の削除を提案。圧倒的多数の賛成で削除を決議した。

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