日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2005/3/25(Fri.) 第32号 123・4・56/6 INDEX
各都道府県小選挙区担当責任者等と地元選出与党国会議員との懇談会開催

質疑応答(要旨抜粋)

 本懇談会は、三月十日(木)までに十回開催されたが、その懇談会においての主要質疑応答は次のようなものである。

  1. 診療所における看護師の治療補助行為実態を踏まえ、現行の国家資格・試験を、その水準に合わせた易しいものにすべき(愛知県)。
    *医事紛争にも関連することであり、今後慎重に検討したい。
  2. 看護師の海外からの派遣受け入れについては、現在フィリピン等が開放対象になろうとしているが、日本語での受験が前提となっていることから、絵に描いた餅になるのでは(愛知県)。
    *残念ながら、現状は厚生労働省予算がつくわけでもなく、ご指摘のとおりかと思われる。
  3. 臓器移植の問題は現在どのように進んでいるか(愛知・岐阜県)。
    *日医としては近々見解を出す予定であるが、前向きに取り組みたい。
  4. 小児科医療の体制強化および救急医療体制の強化を図ってもらいたい(岐阜県)。
    *今後検討を促進したい。
  5. 社会保障費の財源として、タバコ税増税の可能性は(岐阜・千葉・三重・広島県)。
    *「生活習慣病対策」としての目的税導入に努力したい。
  6. 少子高齢化のもと、特に少子化のもと、安心して子どもが産めるような体制づくりを考えるべき(岐阜県)。
    *今後検討を促進したい。
  7. 僻地医療対策に全力を傾注していただくとともに、尊厳死の問題の法的整理を(岐阜県)。
    *極めて難しい問題であるが、今後検討して参りたい。
  8. 日医連の先生方の日ごろの苦労を、地元の若手医師は理解していないのが実情。どのようにしてそれをわからせるかが重要な課題である(静岡県)。
    *実情はご指摘のとおりであり、広報担当等とも相談したい。

医政活動の推進には、ロビー活動の充実化と国民運動の展開が不可欠

  1. 従来日医連は、ロビー活動よりも国民運動が大切という姿勢であったが、この種の懇談会の開催は路線転換なのか(福岡県)。
    *ロビー活動と国民運動の展開は車の両輪である。
  2. 東京まで出てきて実施するのもいいけれど、時間的にも無駄であることから、今後は県主体で実施すべき(福岡県)。
    *各都道府県単位では実施されていると思うが、東京で集中実施することにより、議員に対するプレッシャーになる。
  3. 医療保険と介護保険の根本的見直しが必要と考えるが(茨城県)。
    *同一施設において、極めて矛盾した現象が発生するようになることからも、今後議論を深めていきたい。
  4. 医師連盟の活動につき、勤務医の参加率が極めて少ない(宮城県)。
    *何が参加のメリットなのか等を整理する必要があり、今後検討を促進したい。
  5. 医師免許更新問題はどうなっているのか(宮城県)。
    *日医としては実施に反対している。リピーター医師の問題は、日医としても再発予防の観点から対策を立てているが、一般の医師については、生涯教育を充実させることで対応したい。
  6. 現在日本の医療水準は世界最高水準にあるが、最近の政府の医療に関する姿勢は、医療費の総枠管理等を打ち出そうとしており、今の水準を下げてもいいということなのか(千葉・滋賀県)。
    *政府の基本姿勢は、財政主導型で社会保障費の総枠管理を行おうとするものであり、医師連盟としては、今後阻止に向けて全力で対応したい。
  7. 診療報酬改定にあたり、日医として試案を作成すべきなのでは(千葉県)。
    *状況をみながら、検討を促進したいと考えている。
  8. 介護保険制度改正問題は、今後どのように進捗していくのか(千葉県)。
    *今後、政省令として詳細が決まっていくことになる。
  9. 医師連盟と医師会の峻別はどのようになっているのか(愛知・長崎県)。
    *基本的には問題なしと考えているが、今後の世論動向等も踏まえ、必要な事項については執行委員会での議論を経て対応したい。
  10. 政府には、公共投資を抑制し、そのぶんを社会保障費に廻すといった考えはないのか(長崎県)。
    *ここ五年間で公共投資は約五十%近く削減されており、与党内の声としては、公共投資を元に戻すべきという声である。
  11. 医師連盟活動における若手会員の参加率が極めて低いが、何か強制力を伴う方法はないか(佐賀県)。
    *強制力を伴う方法の導入はなかなか難しい。会員を無理やりにでも政治活動に引っ張り込むような熱意と実行力が不可欠。
  12. 地元にもっと積極的に医師連盟役員に来ていただき、この種の懇談会を開催してもらいたい(長崎県)。
    *声をかけていただければ、可能な限り日程調整を行い参上したい。
  13. 個人情報保護法への対応は(宮城県)。
    *近日中に、日医としてガイドラインを発行する予定なので参考にして頂きたい。

画期的な試み。地元に戻り、医政活動に注力

  1. 初めて医師連盟関係者と膝を突き合わせて会合をもったが、今後ともぜひお願いしたい(国会議員から多数要望)。
  2. 県単位で、一堂に会して国会議員と懇談会をもつのは初めての試みであり、極めて有意義(各都道府県医師連盟から多数意見)。

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