冒頭、植松治雄委員長は「昨年末に混合診療の全面解禁を阻止することができたのは医師連盟の総力をあげた取り組みの賜物。各医師連盟が集めた六百万人を超す署名が大きな力となった」と謝辞を述べ、「執行委員会に先立って開かれた常任執行委員会において、本日提案する議案等の承認をいただいた。本日は平成十五年度日本医師連盟収支決算、十七年度日本医師連盟負担金基準額等についての協議と承認を賜りたい」と挨拶した。
医療制度改革の抜本的論議スタート
次いで、来賓の武見敬三、西島英利両議員が挨拶に立ち、次のように述べた。
【武見敬三参議院議員挨拶】
「今年の年末までに、高齢者を対象にした医療保険制度創設に向けた政策決定が行われる。財務省は老人医療費の総枠管理機能を組み込もうとしているが、それを阻止して健全な医療保険制度の議論にしていかなければならない。そのことは保険者のあり方を議論することにもなる。社会保険庁については解体する方向で政策が進むのはほぼ確実であり、都道府県で年金と政府管掌健康保険の機能を再構築する方向で模索するものと思われる。おそらく、保険者の役割の相当部分を都道府県知事がもつことになり、政府管掌健康保険と国民健康保険を含めた一体的な保険者のあり方が検討されることになるだろう。今年は社会保険庁改革を端緒にして、医療保険制度の抜本的改革の議論が始まる年になる(要旨)」。
【西島英利参議院議員挨拶】
「混合診療の問題は一応の決着がついたとみているが、まだ中医協の問題がある。最終的に、厚生労働大臣のもとで内閣官房長官に相談しながら中医協の見直しを行う方向に落ち着いたが、運営方法等の問題があり、油断はできない。先生方も地元に帰られたら、地元の議員、特に与党の議員の理解を求めるよう活動に取り組んでいただきたい。今年は、七月には第五次医療法改正の議論が始まり、来年には法案として上程される。また、年末には介護保険と医療保険の報酬改定が同時に行われる。患者さんが安心して医療が受けられ、先生方が安心して医療を提供できる環境づくりを目指し、今年も全力で闘っていく(要旨)」。
粛々と議事進行 原案どおり議案承認
植松委員長の司会で議事に移り、平成十五年度収支決算について、若林明会計責任者が決算内容を説明し、「本会計については、一月十七日(月)に三名の会計監督者による詳細な監査が行われている。平成十五年一月一日から十二月三十一日までの収支は、政治資金規正法にもとづき総務省に報告書を提出し、受理されている」と報告した。さらに、会計監督者を代表して石川育成会計監督者が、平成十五年度収支決算について慎重に監査を行った結果、その収支は妥当であり、帳簿記載も的確であったと報告。協議の結果、同収支決算は全会一致で承認された。
平成十七年度負担金基準額については、櫻井秀也副委員長から十六年度同様二万円としたいとの説明があり、原案どおり承認された。
「日医連霞が関研修室」にて国会議員と懇談会開催提案
続いて、宮崎秀樹副委員長が新霞ヶ関ビルロビー階に開設した「日医連霞が関研修室」を活用し、各都道府県小選挙区担当責任者等と地元選出国会議員との懇談会開催を提案した。
「具体的には、各小選挙区の総括責任者とそれぞれの選挙区で実働できる医師二名、および各都道府県医師連盟の役員が研修室に来て、地元選出の与党議員を招き、膝詰めで話をし、コミュニケーションを深めてもらう。そして、地元に帰り、地区医師連盟のバックアップを図るという仕組みをつくっていきたい。新霞ヶ関ビルなら国会から二〜三分なので、国会議員も委員会等を抜け出してこられる。地方から中央に足を運ぶことが大きなインパクトになるので、小選挙区ごとに総括責任者と実働できる医師を二名選出し、通常国会会期中に全選挙区で実施していただきたい」と説明し、理解と協力を求めた。
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