日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2010/1/15(Fri.) 第58号 1・2・34/4 INDEX
第22回参議院議員通常選挙
『与党に軸足を』との声強まる
西島候補は"有為な医師"として推薦確認

民主党との信頼関係構築に努力

第22回参議院議員通常選挙/『与党に軸足を』との声強まる/西島候補は“有為な医師”として推薦確認(写真) この件に関連し、執行委員から、「日本医師連盟としては西島議員の推薦を見直さないとのことだが、会員からなぜ見直さないのかという話をよく聞く。見直さない理由をどう説明すべきか(徳島)」との質問が寄せられた。
 これに対し、内田常任執行委員は「西島議員の推薦については政権交代以前に決定され、その時点で四十の都道府県医師連盟から推薦があった。総選挙後の政権交代を受け何か意見が出るかと様子を見ていたが、これまで西島議員の推薦に関する見直しや撤回、再確認に関する要望は1件もなかった。ただ、北海道医師連盟からは、再度推薦したとの報告を受けている」と理解を求めた。
 また、「政権交代により、現在日本医師会からは中医協に一人も委員が出ないという混乱した状態にある。今、ここで西島議員を推薦し自民党から選挙に出ることになると、国政の場において日本医師会が発言する機会がさらに失われることになるのではないだろうか。日本医師連盟と政府との交渉にも影響が出ることが懸念されることから、今回は静観するのも一つの手ではないかと考える(奈良)」との質問も出された。
 これには、竹嶋副委員長が「現在、中医協には京都府医師会副会長の安達先生と茨城県医師会理事の鈴木先生が委員として出席され、大変なご苦労をいただいている。民主党が凍結している高齢者医療制度について検討部会が立ち上げられ、厚生労働省から委員を一人出してほしいとの依頼を受けた。現在、三上裕司常任理事が検討部会の委員として加わっている。また、いくつかの地域医師会では民主党議員と懇意な関係を築いている。民主党には医系の素晴らしい議員が多数おり、個人的には、そうした医療を専門とする方々と西島議員が一緒にやれる可能性はあると考えている」と回答した。

推薦候補者の再確認で意見様々

 さらに、執行委員からは次のような意見が相次いだ。
 「総選挙の投票前に兵庫県下の医師二千人以上にアンケートを行ったが、その結果民主党に投票するとの回答が六〇%以上を占めた。そうした事実を考えると、自民党のままで推薦することは会員の総意から外れているように思う(兵庫)
 「総選挙後の十月に郡市医師会に対し、次の参議院選挙についてどう考えるかアンケートを行ったが、参議院選挙は別で、西島議員の所属する党派は問わないという結果だった。西島議員には、これまでの実績をもとに国民のための医療を実現してもらうことのほうが大事であり、先の総選挙の結果に左右される必要はない(熊本)
 「衆議院選挙と参議院選挙はまったく違うものだということを認識しておく必要がある。民主党、自民党にかかわらず、医療政策提言ができるような医系議員を日本医師連盟でしっかりめんどうをみて、厚生労働大臣に具申できる形をつくっていただきたい。もし、ここで西島議員をあきらめたら、大変なことになる(愛知)
 「西島議員が我々にとり重要な存在であることを否定するわけではないが、今後四年間で二回の診療報酬改定がある。そのなかでつらい思いをしないような決定をしなければならない。徳島県のアンケートでは、民主党中心の政権が自民党中心の二倍あり、さらに自民、民主にかかわらず政策中心がそれと同程度だった。西島議員を推すことはやぶさかではないが、当選しないと意味はないのであって、我々が一致団結するためにも西島議員を自民党から出すのか再度検討する必要があると思う(徳島)
 「先ほどの唐澤委員長の話は基本的に了解できる。しかし、十月二十日に開催された執行委員会において、日本医師連盟は国民の側に軸足を置くとの新しい活動方針を決めたわけなのだから、推薦を見直すということではなく、新たにこの場で西島議員の推薦を再確認する手続きをとってほしい(石川)
 「唐澤委員長が日本医師連盟は政策をもとにしていくというのであれば、推薦する議員の政策を聞く必要がある。一月の執行委員会で西島議員の推薦を決めた際に、本人がどのような政策をもち、どのように活動していくのかを執行委員は本当に理解していたのだろうか。再確認の手続きをとるとの指摘が正しいと思うが、それならば西島議員の意見、考え方等を聞き、各都道府県の執行委員の疑問、質問に対し充分議論を行い、それに対する回答を得たうえで決めるのでなければならない(京都)
 「岐阜県医師連盟は西島議員を招き県内をくまなく回っていただき、財源の問題、医療に対する考え方などについて話を聞いたうえで、討議を行い推薦を決定した。西島議員の意見や考え方を聞きたければ、地元に呼んだらどうか。まだ一度も呼んでいない県もあるのではないか。西島議員の推薦はすでに決定しており、なにかあるたびにそのつど変えるのはおかしい(岐阜)
 「政党支持ではなく個人支持ということできているのだから、政権がどうなろうとも医の本道に立脚していれば揺らぐはずはない。我々の県でも西島議員を招いて、全県くまなく回って懇談し理解が得られている。今さら推薦云々について揺らぐものなどまったくない(秋田)
 「与党である政権与党を推薦するという規約のあった時代に決定したことはいったん白紙に戻し、野党に所属しているが我々の医療政策、基本的な立場を最も具現化する意見をもつ政治家であるということで再度選び、野党議員だが推薦するということならば、日本医師連盟も日本医師会も民主党に対し恐れることなく堂々と胸を張っていいのではないか(京都)

政権交代による新たな対応も考慮

 議論が白熱するなか、「一致団結するために、この場で西島議員を第二十二回参議院議員通常選挙における日本医師連盟推薦候補とするか否かを採決してはどうか(北海道)」と提案され、これを巡りさらなる議論が展開された。
 「我々のところは、もう何年も西島議員と議論していない。我々の疑問に対する西島議員の回答や意見を聞くこともなく、決を採ると言われても判断のしようがない。もう少し手続きを踏んでほしい(京都)
 「西島議員が行っていない県や細かい説明を受けていない県もあるのだから、まず委員会で西島議員に聞き取り調査を行って、その調査結果を各都道府県にわたしてはどうか(埼玉)
 「今日の話では、県内くまなく回ってもらったところもある一方で、呼んでさえいないところもある。今からでも遅くはないので、各郡市医師連盟で膝を交えて話をしてほしい。でなければ、とても選挙に間に合わない(熊本)
 「西島議員を日本医師連盟の推薦候補として支援するのはすでに決まったことで、今さら決を採る必要はない。先に開かれた選挙対策委員会でも、もう一度やり直そうという話は出なかった。何のための選挙対策委員会なのか考えてほしい。それでもやり直すというなら、原則として一人を推薦するという選考基準から改めてやり直さなければならない(岐阜)
 一方、内田常任執行委員は、「西島議員の政見をよく聞いてない、説明が不充分との話だが、日本医師連盟ニュースのなかでも西島議員の発言を再々取り上げてきた。また、資料等から国会での詳細な活動内容について検討する時間は充分あったと認識している」と説明した。
 これまでに交わされた議論を受けて、唐澤委員長は「政権交代が起こった後、推薦候補者について、そのままでよろしいのか、新たに見直すべきではないかと思われている人がいるかもしれない。しかし、政権交代が起こったからといって、また見直すとなると我々の意思とかその決議がどこにあるのかということになる。
 いろいろな思いや意見があると思うが、すでに決定した延長線上で考えるべきと思う。西島議員について言えば、これまで五年四カ月にわたって積み重ねてきた実績があるわけで、今になってそれを覆すわけにはいかない。私から見れば、まだ若くてすべてをクリアできるわけではないとは思うが、そこは我々が育てていけばいい。政権与党との関係についても意見があると思うが、主導権を政権与党が握るとすれば、何かあるたびに右往左往して執行委員会を開かなくてはならなくなるだろう。本日は西島議員に特化したような形になったが、内田常任執行委員の説明にもあったように、政権交代に伴い新たな出馬希望者や推薦依頼が出た場合の対応も考える必要がある」と総括し、西島議員を第二十二回参議院議員通常選挙比例代表における日本医師連盟推薦とすることに変わりがないことを確認した。
 最後に、唐澤委員長は「今の激動の時代にあって、大事なのは、我々の医療政策を主張していくことであり、そのためにも力を貸していただきたい」と述べ、二時間に及ぶ執行委員会を終了した。

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