日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2008/8/25(Mon.) 第50号 12・3・4/4 INDEX
国民皆保険制度のもとで医療を守る
 今回は、日本医療懇談会のメンバーであります参議院議員の衛藤晟一先生と、医療政策研究会会長で衆議院議員の吉川貴盛先生からご意見を伺いました。

国民皆保険制度のもとで医療を守る(写真)自由民主党厚生労働部会長(七月三十一日現在)
参議院議員(比例代表)
衛藤晟一先生

 会員の先生方による、世界に誇る日本の医療発展への長年のご尽力には、敬意を表するとともに、厚く御礼申し上げます。
 さて、現在のわが国は、未来を見据えた医療、介護、福祉、年金等社会保障政策全般を見直す大きな転換期を迎えており、私も厚生行政には深く関わりながら政務に励んでおります。なかでも、急務であります医師確保対策については、本年度の関係予算で大幅に増額し、病院勤務医の職場環境の整備などの対策を盛り込むとともに、医師不足の地域や診療科の医師を確保するために医学部定員も増やしました。救急医療については、現在、救急医療の充実や適正化において具体策を検討中であります。これらを踏まえ、医療の安全確保の観点から、六月に厚生労働省は「医療安全調査委員会設置法(仮称)案大綱案」を公表いたしました。こちらについては、医療界をはじめ、各方面からご意見をいただき、法案を進めていきたい次第です。
 また、長寿医療制度に関しましては、国民皆保険制度のもとで、高齢者の医療を守るためにも、円滑な施行をはかり、定着させていくことが重要と考えております。そのために、まずは低所得者の方の保険料負担を軽減するとともに、年金からの保険料支払いについて見直しました。
 最後になりましたが、今年度の診療報酬改定により、高齢者医療における医療サービスの選択肢を増やすことができ、また、産科・小児科等の重点的な評価を行うことで総合的な医師確保対策を着実に実施することができると思っております。
 今後も、安全で安心して豊かに暮らせる国づくりに微力ながら邁進して参る所存でございます。

国民皆保険制度のもとで医療を守る(写真)経済産業副大臣(八月五日付就任)
衆議院議員(比例北海道)
吉川貴盛先生

 日本医師連盟七万会員の皆さまにおかれましては、日々地域医療確立のために不断の御努力をされておりますことに心から敬意を表します。
 私は、世界に例を見ないわが国の国民皆保険制度が危うい状況にあると思えてなりません。武見敬三先生からの御依頼で若手議員だけで結成した医療政策研究会を立ち上げ、研鑽に務めているのもそのような危機意識からです。
 今、国民は何に不安や不満を持っているか。それは医療をはじめ社会保障に関することが一つです。年金生活者も現役世代、若者の皆さんも所得は上がっていません。むしろ負担が増え、所得は減っています。そこに大きな不安があります。その時に来年度予算でさらに二千二百億のキャップをかけるというのですから、まったく国民の声に耳を傾けているとは思えないのです。医師不足対策や救急医療対策は当然国の責任でやるべきことですが、現下の医療提供体制を守り充実させることを考えなければ国民の不安や不満に応えることにはなりません。私たちはさらに頑張ります。日本の医療を守るために!

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