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2012/8/25(Sat.) 第73号 1・234/4 INDEX
「平成24年度 第1回 日医連医政活動研究会」を開催
医政活動の重要性を学ぶ

「平成24年度 第1回 日医連医政活動研究会」を開催/医政活動の重要性を学ぶ

 昨年度から実施されている「日医連医政活動研究会」が、7月16日、日医会館で開催された。この研究会は、全国の若手連盟会員を対象として、医政活動の重要性を認識してもらうための勉強会であり、今回で通算4回目となる。当日は、全国から78名の研究会メンバーである若手医師およびオブザーバー、事務局など合わせて約130名が参加し、喫緊の日医の医療政策に関する課題等を学んだ。

さらに多くの会員に医政活動への理解を

 研究会冒頭、横倉義武委員長から、開催に当たって挨拶があった。
 「日医連活動の目的は、日医のさまざまな医療政策課題を解決するための政治活動を行うことである。
 その日医の医療政策課題の大きなひとつが、国民皆保険制度の堅持である。二十年近く前から、営利的な医療を参入させたいというさまざまな要望がなされてきたが、その都度、日医の主張で食い止めてきた。
 三年前に政権交代が起き、今後は五十五年体制に比較して非常に混迷した政治体制となるものと思われる。そのような政治状況のなか、医師会、医師連盟会員は、地域でのリーダー的存在となっている方も多いので、本研究会を通じて今の日本社会にとって何が必要なのかを理解していただくことが重要である。
 昨年度は、東京での開催のほかにブロック単位での開催を行った。今後は、各ブロックから都道府県医師連盟、さらに郡市区医師連盟へと裾野を広げ、一緒になって協力していく体制をどうつくり上げていくかが課題である。ぜひ、本日ご参集の先生方には、この輪を大きく広げる努力をしていただきたいし、また、私どももこのような運動を広げていきたいと考えている」

ブロックごとの研究会報告

 横倉委員長の挨拶に続き、昨年ブロックごとに開催された医政活動研究会について、ブロック当番県より報告が行われた。
 「他県との情報の共有や、他の県がどのように活動しているかについて活発に議論でき、お互いの刺激となった。今後さらにこの研究会をどのようにしていくのかが検討課題」(中部ブロック)
 「地元議員との日常からの交流が重要であることが理解できた。課題としては、若手医師会員にどうしたらこのような会に出席してもらえるかである。今後は、会員の政治的関心と医師会の医政活動の方向性をどうやって一致させるのかが課題」(九州ブロック)
 「国会議員の講演のあと、講師を囲んでの懇親会を開催したが、講演では聞けない話を詳しく懇談していただき大変有意義であった。準備段階において、メーリングリストを立ち上げたが、大変役立った」(中国・四国ブロック)
 「講演のあとのディスカッションがよかったとの感想があった。連盟活動は郡市区医師会が動くことが大切で、今後は地元でいかに研究会を開催するかが重要」(東北ブロック)
 「研究会で得られた知識を郡市区医師会へ持ち帰り、会員皆で共通の認識として理解してもらうためにどのように行動するのかが課題。政治活動というよりは、その前段階として医師として知っておくべき医療政策を学ぶ必要がある」(関東甲信越ブロック)
 「若手医師に政治活動がなぜ必要かということを理解してもらった。医師会の考え方を会員にわかりやすく発信することも必要。また、各会員に医政活動が重要であることを理解してもらえるような資料を提供してほしいとの意見があった」(近畿ブロック)
 (やむを得ず欠席となった、北海道ブロックは発表に代えて資料を配布)
 研究会メンバーから、次のような発言があった。
 「各県医師連盟で郡市区医師連盟の幹部や若手との勉強会等の開催をしている県があれば教えてほしい。(青森)」
 これに対して、兵庫、石川、愛知、秋田、大分の五県から、県医連と郡市区医連との間で、積極的に勉強会や意見交換の場が設けられているとの回答があった。
 また、「議員一人に対して一人の担当者を決め、選挙の時だけでなく、日頃から接触し、常に協力が得られるような仕組みをつくっている。(兵庫)」「県医師会の役員が担当議員を決めて、日常から議員の勉強会等へ出席し、意思疎通を図っている。(奈良)」等の活動の紹介があった。

日医の抱える医療政策課題について

 「日医の医療政策課題」では、「医学部新設問題」について中川俊男副委員長、「控除対象外消費税問題」について今村聡副委員長がそれぞれ解説を行った。
 引き続いて、今村副委員長が、「日医連の医政活動について」と題して、受診時定額負担問題、電力問題、予防接種法、事業税問題、TPP問題等、具体的な活動内容とその成果について説明した。
 また、事前に行われた「日医連医政活動研究会」に関するアンケート調査結果について報告があり、参加者の約八割が、「大変有意義」「有意義」と回答したことが判明した。
 主な意見としては、「日医連の考え方や、方向性が理解できた」「他の県のメンバーと意見交換ができてよかった」「活動を共有できる仲間ができた」「複数の与野党議員との討論をしてほしい」「若手に発言させるために、五十歳未満に限定してほしい」「総論は理解できるが、具体性が乏しい」「参加人数が多く発言の機会が少ない」などであった。
 地域での研究会開催に関しては、「ブロック単位での開催希望」六〇%、「都道府県単位での開催希望」一九%、「どちらともいえない」二一%であった。
 そののちの質疑応答では、予定の時間をオーバーするほど熱心な質問が相次いだ。 
 羽生田俊副委員長の閉会挨拶後会場を移し、懇談会が開催された。研究会メンバーは、医療政策や医政活動に関する疑問点を日医連役員に質問するなど、闊達な意見交換が行われた。

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