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2011/10/27(Thu.) 第69号 1234・5/5 INDEX
第3回「日医連医政活動研究会」ブロック別研究会を開催

十月十日 中国四国ブロック開催

(当番県 鳥取県医師連盟)

岡本公男鳥取県医師連盟委員長
(中国四国ブロック)
  (中国四国ブロック)
 

 去る十月十日、中国四国ブロックにおける第三回「日医連医政活動研究会」が岡山市内で開催され、各県の研究会メンバーと地区医師連盟役員等約百名が参集した。
 当研究会は、明穂政裕鳥取県医師連盟常任執行委員の司会で進められ、自民党前政務調査会長である石破茂衆議院議員(自民党・鳥取県一区)と産婦人科医で徳島県出身の仁木博文衆議院議員(民主党・四国比例)による講演ののち、研究会メンバーらとの闊達な意見交換が行われた。
 はじめに、藤川謙二日医連常任執行委員から、「この研究会は、参加者の皆さまに、医師会の医療政策を政治の世界で実現するため、医政活動の重要性を再認識いただくための場であり、さらなる連盟活動の充実と強化を図っていかなければならない」旨の挨拶がなされた。
 また、岡本公男鳥取県医師連盟委員長の挨拶においては、「医政活動の重要性を理解し、陳情活動や選挙活動等を講じていかないといけない」と述べ、また、選挙に関して、参議院比例代表の得票数が毎回減少していることに触れ、「まずは会員の皆さんが医政活動に参加することが重要である」と訴えた。
 講演の部に移り、まず、石破議員が、「社会保障の今後について」と題して、次のように講演した。
 「社会保障等の政策について、今後十年、二十年先、現状の政策が維持できるかどうかは誰にもわからない状況である。医療機関の疲弊等さまざまな社会保障問題に対し、社会保障費の増額が必要とされるが、消費税等税金の投入を真剣に考えなければならない。
 また、医師法二十一条に関連して、医師に刑事罰を課すことは基本的に誤った考えであり、医療行為において故意を除き、過失の場合は刑事罰に問うべきではないと考える。
 次世代の日本国のために、これからの医療政策を真剣に考えていかなければならない事態に直面している(要旨)」
 引き続き、参加者との質疑応答が次のように行われた(抜粋)。
 「環太平洋経済連携協定(TPP)を導入しようとする動きについて、今後どのようになるか(愛媛)」
 「特定看護師に関連して、医師と看護師の中間的な存在について、厳格な資格のない立場では問題である(徳島)」
 「二大政党制により、選挙においてねじれが発生するなど、我々は翻弄されている。選挙制度として、小選挙区比例代表制ではなく、以前の中選挙区制が相応しいのではないか(岡山)」
 続いて、仁木議員より「医療政策の実現に向けて」と題して話があった。
 「医療・介護分野は必須なサービス業であり、それに伴う人件費の割合は非常に大きい。年々、社会保障費全体が増加しているが、社会保障の財源捻出においては消費税が相応しいと考える。
 中長期においては、少子化対策、また、若い世代の就労環境等をよりよくすることで保険制度の堅持につなげていかなければならない。
 また、適正な医療として、医師偏在解消や女性医師の労働環境改善等による地域医療の充実、ワクチン接種等の予防医学、生活習慣病の改善等の課題が山積している。国民の命を守る医療について、よりよい医療政策ができるよう医師の先生方と一緒に解決に向けていきたい(要旨)」
 そののち、参加者から次のように質疑が出された(抜粋)。
 「医療機関のIT化について、診療所に対する補助金をどのように考えているか(岡山)」
 「医療の適正化について、患者側の責任も考えられる。病院にかかりながら喫煙するなど医療費の無駄遣いが考えられるが、医療基本法のようなものを制定できないか(徳島)」
 「民主党の政策決定のあり方に不安を感じている。きめ細かな対応をお願いしたい(岡山)」
 最後に、藤川常任執行委員からは、「窓口負担の定額制導入については、国民医療推進協議会においても反対を決定しており、全国紙に意見広告を載せていく。また、国民世論を味方にして署名運動も行っていきたい。
 特定看護師問題に関しては、タスクシフティングによる医師の医療行為を脅かすような動きがあり、医療安全のあり方そのものが問われている」と報告し、これらの問題に対して、国会議員等の理解を得るよう、地域における陳情活動の促進の協力を参加者に求めた。
 研究会終了後、懇親会が行われ、国会議員を含めた参加者らの間でさらなる意見交換が行われた。

以上

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