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2011/10/27(Thu.) 第69号 12・3・45/5 INDEX
第3回「日医連医政活動研究会」ブロック別研究会を開催
 第三回「日医連医政活動研究会」が、中部ブロックを皮切りに、ブロック単位で開催された。
 今回の「日医連医政活動研究会」は、全国を六ブロックに分けて開催することが、去る六月十二日開催の第二回「日医連医政活動研究会」において決定されたものである。各ブロックは、当該当番県が中心となって、研究会メンバーらとともに開催に当たり連携して作業を進めていた。
 このたび、中部ブロックとして当番県である愛知県医師連盟が九月十一日に名古屋市で、九州ブロックは十月八日に佐賀県医師連盟が佐賀市で、中国四国ブロックは十月十日に鳥取県医師連盟が岡山市で、それぞれ研究会を開催した。
 当日は、当該ブロックの研究会メンバーを中心に多数の連盟会員の参加のもと、国会議員より陳情活動等に関する講演があり、その後、意見交換を行うなど有意義な研究会となった。
 今号は、三ブロックにおける開催内容を紹介するが、今後開催予定のブロックについても次回以降の日医連ニュースに掲載していく予定である。

九月十一日 中部ブロック開催

(当番県 愛知県医師連盟)

挨拶する藤川謙二日医連常任執行委員
(中部ブロック)
  (中部ブロック)
 

 中部ブロックにおける第三回「日医連医政活動研究会」が、九月十一日に愛知県医師会館において開催され、中部七県から若手医師連盟会員と各県の地区医師連盟役員等を含め約七十名が参加した。
 当日は、石黒順造愛知県医師連盟常任執行委員の司会進行のもと、代表挨拶として妹尾淑郎愛知県医師連盟委員長と小林博岐阜県医師連盟委員長から挨拶があった。
 その後、出席していた藤川謙二日医連常任執行委員が、挨拶のなかで日医連医政活動研究会の趣旨説明と、すでに開催された二回の会議内容について報告した。
 引き続き、報告として「愛知県医師連盟の新しい取り組み」について、柵木充明愛知県医師連盟副委員長より次のような説明がされた。
 「愛知県医師連盟では、今日までの参議院比例代表選挙については、日本医師連盟の組織内候補者を全力で応援してきたが、平成二十二年には、日本医師連盟の推薦候補・支援候補の三名の合計獲得投票数も十七万票に届く程度であった。以前のような全国区で八十〜百万票を獲得した時代からすれば集票力が低下したといえる。
 この惨敗を分析した結果、衆議院議員小選挙区に愛知県医師連盟から候補者を擁立することが必要ではないかと考えていたところ、政治家を目指していた青年医師から選挙に出たいとの申し出があった。そこで、愛知県医師連盟執行委員会で議論した結果、今枝宗一郎氏を連盟代表として国会に送り出すことを決定した。いずれ日本医師連盟にも推薦を申請するが、中部七県の医師の先生方にも力添えいただきたい(要旨)」。
 その後、討論は、日医連医政活動研究会メンバーである河合雄中部ブロック幹事長・田中孝静岡県医師連盟常任執行委員の両名の司会により進められた。中部七県医師連盟の出席者間でさまざまな意見が交わされたが、日本医師連盟でも取り上げられている「陳情活動のあり方」や若手医師に「医政活動の重要性」を認識してもらうことを中心に議論し、総括を行った。
(討論および総括)
 医療に関する陳情活動については、各県議会レベルでは自民党優位の県が大多数であり、各県医師会の要望に対してはほとんどが良好な関係にある。一方、衆議院議員ではそれぞれ選挙区事情もあり、自民党優位の県もあれば、民主党が圧倒的に強い県もあるので、なかなか難しい状況下において陳情活動を展開している。
 愛知県では、さらに公明党に対しても陳情活動をしっかり行っている。
 石川県では、若手医師の参加等に関連して、「医師会のあり方に関する検討委員会」を設置し、各郡市医師会から若手医師を一名選出してもらい会議を開催してきた。昨年からは、「医師会改革ビジョン委員会」と名称を変更して若手医師が参加して議論する場を持っている。
 岐阜県では、平成二十二年より、五十歳前後の医師を各地区医師会から招集して「医療政策会議」を開催している。
 愛知県では、「ジェネラルマインド医師養成セミナー」という若手医師向けの医学セミナーを医師会が主催し、企画・運営から若手医師に実務を担当してもらい、二十代後半や三十代の医師を対象にセミナーを行っている。このように、若手医師のために活動を通して医療政策を考えていく機会を設けていくことが重要と考えている。
 総括として、田中孝静岡県医師連盟常任執行委員が、「若手医師が今考えていることに対して、医師会役員も相互に歩み寄り一緒になって考えている。さらに、医政活動についての理解を得ることから始まり、最終的に医療政策に結びつけていく姿勢が非常に大切である」と改めて述べた。
 基調講演においては、佐藤ゆかり自民党参議院議員(比例代表選出)による「社会保障と税の一体改革」における民主党の成案について説明があった。
 「消費税率十%に引き上げられた際の医療機関をゼロ税率課税にするのか、軽減税率にするのか。また、現在、医療機関が損税を被っている問題点がある。受診時定額負担については、患者にとっても医療機関にとっても大変重大な問題を含んでいる。それに、社会保障の財源をどう捻出するかについても今後大いに議論していかなければならない(要旨)」。
 研究会の閉会後の懇親会においては、参加者がおのおの意見交換をするなど有意義な懇談になり、予定どおりすべての日程を終えた。

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