日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2009/6/25(Thu.) 第55号 12・3・45/5 INDEX
社会保障制度を守ります!

 今回は、自由民主党社会保障制度調査会長で衆議院議員の鈴木俊一先生と、自由民主党社会保障制度調査会長代理で衆議院議員の木村義雄先生にご意見を伺いました。

社会保障制度を守ります!(写真)自由民主党社会保障制度調査会長
衆議院議員(岩手二区)
鈴木俊一先生

 今、医療保険制度を含む社会保障制度は重要な転換点にさしかかっています。それはこれまで行われてきた「財政主導」の制度設計からの転換であり、私はこの流れを確かなものにしたいと考えます。
 昨年、社会保障国民会議の取りまとめにおいて「社会保障の機能強化」という言葉が初めて使われました。従来、社会保障制度に使われる枕言葉は「持続可能な制度設計」でありました。持続可能な制度の追求は常に財政のモノサシの視点で論じられ今日の少子高齢社会にあっては給付抑制と負担増によってなされてきました。今後、確立されるべき流れは「社会保障の機能強化」であり、それは必要な分野にはきちんと財政措置を行うということであります。
 医療制度においても必要な国費を確保するためにまず最初にやらなければならないのは社会保障費自然増額からの二千二百億円削減を撤廃することであります。間もなく決定される二〇〇九骨太の方針、それに基づく来年度予算のシーリングにおいて削減撤廃をぜひとも実現いたしたいと思います。ことにも来年は診療報酬改定の年であります。本来、診療報酬の引き上げ財源になるべきいわゆる薬価差もこれまでは二千二百億円削減の財源に回されてきました。
 もちろん医療保険制度の効率性は必要であります。しかし行きすぎた財政主導の制度設定によって医療崩壊の危機が現実化している現状を打開するためには、国費投入を伴う社会保障の機能強化への転換を確実なものにしていくことが基本的かつ重大な課題であります。今後とも日本医師連盟の先生方とともに、国民の生命と健康を守るため尽力して参ります。

社会保障制度を守ります!(写真)自由民主党社会保障制度調査会長代理
衆議院議員(香川二区)
木村義雄先生

 六月に入り、衣替えの季節を迎えました。梅雨空のうっとうしい日々が続きますが、国民医療の最前線で活躍されている日本医師連盟の先生方、いかがお過ごしでしょうか。
 さて、衆議院の解散・総選挙がいよいよ指呼の間に迫って参りました。今回の選挙は「百年に一度」といわれる未曾有の金融・経済危機のさなかに行われる稀有な選挙であり、結果次第ではわが国の経済、ひいては日本の社会保障制度に深刻な悪影響を及ぼしかねないということです。
 政府・与党は昨年来、外需輸出産業中心から内需社会保障公共事業中心への政策の大転換を行いました。本年五月末には憲政史上初めての歳出規模が約十五兆円、うち地域医療再生基金三千百億円を含む社会保障費およそ三・五兆円と過去最大の平成二十一年度補正予算を成立させました。
 かたや民主党は協力するどころか「政権交代が最大の景気対策」などと身勝手な論理を振りかざし、予算案や関連法案の審議を妨害し、衆院選挙で政権交代を果たしたら、予算の執行停止をすると公言しています。政府・与党の「景気対策社会保障最優先」路線を継続するのか、民主党の「政局最優先」「景気対策社会保障執行停止」路線に転換するのか、次の衆院選挙はまさに社会保障の未来が問われています。
 これからも先生方と協力のもと、社会保障制度を守るため邁進して参ります。

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