日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2009/4/25(Sat.) 第54号 1・2・345/5 INDEX
安定財源確保、医療制度拡充を目指す!

 今回は、自由民主党副幹事長、また、自由民主党厚生労働部会長代理で衆議院議員の菅原一秀先生と、自由民主党厚生労働部会長代理で衆議院議員の井上信治先生にご意見を伺いました。

自由民主党厚生労働部会長代理
衆議院議員(東京九区)
菅原一秀 先生

安定財源確保、医療制度拡充を目指す!(写真) 医療は今、大きな転換期にあります。深刻な医師不足、首都圏における周産期医療の課題など、国の社会保障費二千二百億円抑制の方針のしわよせが少なからず影響を与えています。
  このようななかで、平成二十年度の診療報酬については、八年振りにプラス改定ができましたが、もちろん、充分とはいえません。また、平成二十一年度予算では、後発医薬品の使用促進による削減を除き、医療・年金の経費の歳出削減は行わないこととしました。また、医師養成数についても、増員の方向に転換しました。これも、財源的裏打ちが必要であるとともに、医師の地域偏在と診療科偏在の解消にはいっそうの努力が必要です。現在、新たな補正予算案について検討しており、都道府県に思い切った予算措置を講じて、地域医療を再生するためのハード・ソフト事業を強力に実施し、国民の医療への不安を一刻も早く解消したいと考えています。
  昨年末、政府の社会保障国民会議から、社会保障費の抑制路線を抜本的に転換するような試算が示されましたが、今後、財源も含めて国民的議論を深める必要があります。
  少子高齢化の進展と景気後退のなかで、医療を取り巻く状況は厳しさを増していますが、今こそ、地域の医師連盟の皆さまの力で、指導的役割を積極的に果たしていただき、国民の生命、健康を守ることが重要と考えます。
  世界に誇る日本の国民皆保険制度のもとで、医療制度を拡充し、世界一の健康長寿国家を築いて参ります。

自由民主党厚生労働部会長代理
衆議院議員(東京二十五区)
井上信治 先生

安定財源確保、医療制度拡充を目指す!(写真) 唐澤人委員長はじめ日本医師連盟の先生方には、日頃より、国民の生命と健康を守るため、日本の医療現場をお支えいただいておりますことに、心より感謝申し上げます。
 わが国の医療には、皆さまの大変なご尽力にもかかわらず、医師・看護士の不足や偏在、救急・周産期医療体制等の弱体化、医療事故・紛争の多発、後期高齢者医療制度の見直し等々未だ多くの難問が山積みしており、危機的な状況にあるといっても過言ではありません。
 ご承知のとおり「レセプトオンライン請求の完全義務化」につきましては、平成二十三年度当初から「原則」オンライン化となりますが、「地域医療の崩壊を招くことのないよう、自らオンライン請求することが当面困難な医療機関に対して配慮する」ことを明記しました。地域医療を担って来られた経験豊かで優秀な医師を医療の本質からかけ離れた問題で診療ができなくしてしまうことは、国民にも大きな損失となりかねません。医療現場の実態を無視した施策を強引に進めても実効性は上がりません。これからも皆さまのご意見も踏まえ、医療の質や安全性の向上に資する真の医療制度の改革に取り組んで参ります。
 今後の日本の医療を考えるうえで避けて通れないのが財源問題です。行財政改革を徹底的に断行したうえで、景気の動向を見つつ、消費税を含めた税制の抜本改革を行うことにより、医療・介護・年金等の社会保障分野により多くの財源を投入していくことが不可欠です。
 厳しい少子・高齢化時代、国民は社会保障の充実こそ最も切望しています。皆さまと協力しながら、世界に冠たる日本の医療制度をよりよいものとするために全力で頑張って参ります。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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