日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2009/2/25(Wed.) 第53号 1・2・3/3 INDEX
─第22回参議院議員選挙・日本医師連盟推薦候補者(比例代表)─
決意表明「西島英利参議院議員」
─日本のより良き医療・社会の実現に向けて、皆さんとともに全力で取り組む決意!!─

 別記事にも掲載したように、さる1月20日の「執行委員会」において、圧倒的な支持を得て、来年7月に実施予定の第22回参議院議員選挙における日本医師連盟推薦候補者(比例代表)に決定した「西島英利参議院議員」が、今日の医療の現状と日本の良き医療、良き社会の実現に向けて、新たな決意表明を行いました。

─第22回参議院議員選挙・日本医師連盟推薦候補者(比例代表)─/決意表明「西島英利参議院議員」/─日本のより良き医療・社会の実現に向けて、皆さんとともに全力で取り組む決意!!─(写真) 一月二十日の日本医師連盟、執行委員会におきまして平成二十二年に行われます参議院選挙の全国比例区候補者としてご推薦いただき、まことにありがとうございます。日本医師連盟の会員各位に感謝申し上げますとともに、私に課された責任の重さを考えますと身が引き締まる思いでございます。
 四年半前、私が参議院選挙に立候補いたしましたのは、危機的状況にある日本の医療を何とかしなければならないという思いからでした。二〇〇四年の参議院選挙では、年金未納問題、年金改革が最大の争点となり、結果として自民党が改選議席を割ることになり、その参院選後、小泉首相は大勝負にでました。小泉首相は本人の長年の懸案事項郵政民営化に本格的に乗り出し、二〇〇四年九月に第二次小泉改造内閣を発足させ、竹中氏を郵政民営化担当大臣に任命しました。「基本方針」を策定して、郵政民営化を最優先事項としたのです。このあとの流れは皆さまご存じのとおり、まるで政治がドラマのように進められました。この流れは郵政だけにとどまらず、「改革なくして成長なし」のスローガンのもと、聖域なき改革が進められたのです。確かに、郵政改革が政・官・業の癒着の構造の後ろ盾である財政投融資制度を壊したことは大きな意義深いことであり、「聖域なき改革」の一部分が日本の社会に公正と衡平をもたらし、それまで日本に居場所がなかった優秀な人にチャンスを与え、ホリエモンのようなスーパーウイナーを誕生させました。しかし、ウイナーのでたらめさが次から次に発覚しました。

地域医療崩壊

 私が国会議員になった、最大の理由は日本の医療を守り、健康に暮らせる社会を守ることにありました。
 残念ながら、日本の医療、地域医療はおかしくなっています。昨年起こった奈良県、そして東京都でのハイリスク妊産婦の受け容れ困難な状況は、大きな社会問題となりました。この事象は医師不足が、地域的な偏在で片付けられる問題ではなく、過疎地ばかりではなく都市部においても地域医療、とくに救急、周産期の医療が崩壊しかけていることを明らかにしました。
 これは、「聖域なき構造改革」の名のもとに進められた政策が大きな原因です。「聖域なき構造改革」は、文字どおり例外なく、できるだけ政府の介入を排除し、市場にできるものは市場にゆだね、結果として資源の最適配分を実行しようとする市場万能の考えに基づくものであり、同時に財政再建を果たそうとするものでした。

誇るべき国民皆保険制度

 日本の医療は、医療機関へのアクセスがよく、誰でも平等に高度の医療が比較的安い費用で受けられ、健康寿命の高さと低い乳幼児死亡率を実現していました。この日本の医療は、市場万能主義とは趣を異にするものです。世界がうらやむ日本の医療は、医師、医療機関などの医療提供者、そしていつなんどき患者になり得る可能性のある国民、そして保険者がそれぞれ、高い職業倫理、道徳観を持ち、「困った時はお互い様」という、助け合いの文化、哲学そのものから成り立っているのです。 「国民皆保険制度」は単なる「カネ繰り」、ファイナンスの仕組みではないのです。国民皆保険制度には保険料(収入)とその保険事業(運営費)に公的な援助が入っています。
 財政再建を主な目的として、「聖域なき構造改革」を進めるグループはこの公的な援助が不効率をもたらすと主張し、文字どおり「聖域なき構造改革」をすすめ、国民皆保険制度を破壊しようとしました。彼らにとって、国民皆保険制度は単なる「カネ繰り」にしか見えません。一番大切な文化、哲学が見えていません。

日本の良き医療、良き社会の実現に向けて

 今、大きな問題が起こっています。格差社会、治安の不安、医療崩壊がその代表です。これらの原因は我々が憑き物につかれたように、「聖域なき改革」をすすめたことが大きな原因です。「聖域なき」は間違いだったのです。改革すべきものはこれからも進めなければなりません。しかし、守るべきものは守る、間違って壊してしまった大事なものは、再びつくる。それが、これからの私に課された使命であります。
 私は、何としても日本の医療、国民皆保険制度を守って参ります。なぜならば、国民皆保険制度そのものである「高い職業倫理と道徳観に裏付けられた「困った時はお互い様」という、助け合いの文化、哲学」を守ることであり、そしてその精神を復活させることは、日本の良き医療を実現すると同時に、日本の良き社会を守ることを復活させることに直結しているからです。
 私は、医師であり、同時に議員であることを天命だと思っております。日本の医療を守ること、日本の良き社会を守ることは究極的には同義であり、その実現のために全身全霊で取り組む決意であります。
 日本医師連盟の先生方には、ご迷惑をおかけすることになりますが、日本の良き医療、そして良き社会を実現していくために何卒、何卒よろしくお願いいたします。お力をお貸しください。

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