自由民主党副幹事長
衆議院議員(広島三区)
河井克行先生
平成八年、衆議院議員に初当選して以来、私は国会があるときもないときも、できるだけ地元に戻り、広島県第三選挙区のすみずみに足を伸ばし、数え切れない多くの皆さまとお会いし、膝を突き合わせてお話を伺ってきました。そしていま、地元の皆さまが最も関心を寄せている政策課題は、年金・医療・介護です。
昨年夏の参議院議員選挙、武見敬三先生の応援で県内の医療機関を走り回った私は、行く先々で「医療の崩壊」というべき現実を目の当たりにしました。産科・婦人科・小児科・麻酔科が廃止・縮小されている光景、外科や脳外科などにも若い医師が集まりにくくなっている実態。それらは中山間地域だけでなく、中核市の公立病院ですら起こっている、私にとって悲しくなるほど大きな衝撃でした。
大きな要因に、毎年の予算で繰り返されてきた二千二百億円の医療費削減枠があることは間違いありません。一度始めた制度はたとえ現場でどんなに誤りが発生していてもなかなかそれを変えようとしない官僚たち。財政至上主義の視点でのみ医療を考えるという落とし穴に自ら嵌ってしまった官僚たち。
法務副大臣在任中、私は閣議決定を金科玉条のごとく扱う官僚たちと戦ってきました。「法科大学院」と「年間三千人増員計画」により法曹人口の粗製濫造が発生し、日本の司法は大混乱に陥ろうとしています。この問題については、日医の執行部の皆さまに先日講演をさせていただきました。
私は党内の議論では終始一貫して、「二千二百億円削減」のもつ不合理を主張してきました。私は、自民党の公約で削減枠の撤廃だけでなく、医療従事者の日夜を分かたない献身的なご労苦に報いる大幅な診療報酬の増額が謳われるよう、全力を尽くします。そして、閣議決定が邪魔になるのであれば、政治が主導してそれを変えるべきなのです。世界に誇るべき、世界が理想としている国民皆保険制度を次の世代にも引き継ぐことができるよう、私は死に物狂いで頑張ります。
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