日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2008/10/25(Sat.) 第51号 1・234/4 INDEX
日本医師連盟執行委員会開催
「参議院比例代表候補者選考基準」、「参議院比例代表候補者選出要領」等を承認
 九月十六日(火)、日本医師連盟は執行委員会を開催し、平成二十年度交付金、参議院比例代表候補者の選考基準・選出要領などについて審議を行った。予定時間を超す長時間の審議の結果、すべての議案を原案どおり承認した。
日本医師連盟執行委員会開催/「参議院比例代表候補者選考基準」、「参議院比例代表候補者選出要領」等を承認(写真)

日本医師連盟執行委員会開催/「参議院比例代表候補者選考基準」、「参議院比例代表候補者選出要領」等を承認(写真) 羽生田俊常任執行委員の司会で開催。冒頭唐澤人委員長は次のように挨拶した。
 「福田総理が突然辞任するなど、現在の政局は一寸先が見えにくい状況にある。しかも、霞が関や永田町の機能は十分に働いているとはいえない。日本医師連盟としては、そうした現状を踏まえ今後の政治動向を見据えながら、来るべき衆議院総選挙、そして平成二十二年に行われる参議院議員選挙に向けて全力で取り組んでいかねばならない。本日は参議院比例代表候補者並びに他候補者の選考基準等多くの議案を審議いただくが、円滑な議事運営にご協力を賜りたい。(要旨)」
 続いて来賓の西島英利参議院議員が、「社会保障費二千二百億円の削減問題では先生方に多大なご迷惑をおかけしているが、たばこ税増税、道路特定財源の一般財源化などで新たな財源を確保した段階で年金・医療等の特定の経費の予算措置をする予定である。民主党が医師法二十一条削除案を出したが、削除しても業務上過失致死は残る。その回避のためにも医療安全調査委員会設置法の大綱案へのご理解を賜りたい。後期高齢者医療制度も、一般病棟での脳卒中後遺症と認知症を減額対象から外すなど緩和措置を講じているところである。今後も先生方が安心して医療を提供でき、かつ国民が安心して医療を受けられる環境づくりのために全力で取り組んでいくので、さらなるご支援を賜りたい。(要旨)」と挨拶した。

平成二十年度交付金は昨年と同水準に決定

 議案審議に移り、まず平成二十年度交付金について、宝住与一副委員長より昨年度同様四〇%としたいとの説明があり、全会一致で承認した。また、これまで参院選に合わせて特別会費を徴収してきたが、徴収に伴う作業の煩雑さ等を勘案し、「二十一年度以降の交付金を二〇%に減額することで対応したいと考えている。本件については改めて審議をお願いする」との説明があった。

「参議院比例代表候補者並びにその他候補者の選考基準」と「参議院比例代表候補者選出要領」を決定

 次に、選挙対策委員会が先ごろまとめた「参議院比例代表候補者並びにその他候補者の選考基準」、「参議院比例代表候補者選出要領」について、羽生田常任執行委員が概説したあと、さまざまな意見、提案が出され、白熱した議論が交わされた。
 「参議院比例代表候補者の日本医師連盟推薦枠は原則一名となっているが、百万票集めようという方針と矛盾している。原則一名の文言は除外してはどうか(宮崎県)」
 「二十万票しか集められない団体が何人も推薦しては恥をかくだけ。自民党からも笑われる(佐賀県)」
 「"原則とする"ということから強い縛りではないと思われるので、原則一名でいいのではないか(埼玉県)」
 「小泉内閣で年間二千二百億円の社会保障費削減が閣議決定された。医療費を削るような政党を推すのは疑問だ。必ず政権与党をというのではなく、医療政策において筋の通った政党を推して第一党に盛り上げるべきだと考える(奈良県)」
 「自民党にお灸をすえれば医療制度がよくなるのではという淡い期待をもつ会員もいる。野党が政権をとったらどうなるかを理解してもらうためにも、野党の医療政策情報を会員によくわかるように流してほしい(熊本県)」
 これに対し、羽生田常任執行委員は「現在の集票力を考慮し推薦候補者を原則一名とした。二名当選が可能な集票力ができれば二名を推薦したい」「執行部としては、引き続き自民党が政権を担うことが大事と考えている」「現状の民主党の医療政策には、包括払い方式、混合診療導入、保険者機能の強化・個別契約等問題点が三つある。近く新しいマニフェストがでるのでそれを見たうえで自民党との違いを検討し、情報を提供していきたい」と説明した。その後も活発な議論が交わされたが、「これでは堂々巡りでいつまでたっても終わらない。採決すべし」との動議が採択され、圧倒的多数の賛成で原案どおり承認した。決定した「参議院比例代表候補者並びにその他候補者の選考基準」と「参議院比例代表候補者選出要領」は、別表のとおり。

衆議院小選挙区担当責任者の推薦について

 次に、次期衆議院総選挙における衆議院小選挙区担当責任者の推薦について、宝住副委員長が全国三百小選挙区ごとに担当責任者および担当代行責任者を九月三十日までに推薦するよう依頼。さらに、十月中に東京で担当責任者の全体勉強会を開催する予定であることを報告し、満場一致で承認した。
 続けて、国会議員との各種勉強会開催状況について、「カトレア会」、唐澤執行部発足後にスタートした「日本医療懇話会」、「医療政策研究会」、「社会保障研究会」等において多くの国会議員と意見を交換し、日本医師連盟の医療政策実現に向けた理解を深めてもらっているとの報告があり、今後も開催を継続していくことを承認した。
 最後に、六月十日の常任執行委員会で承認された武見敬三前参議院議員の日本医師連盟参与就任人事について説明があり、原案どおり承認し、散会となった。

別表

「参議院比例代表候補者並びにその他候補者の選考基準」

  1. 参議院比例代表選挙候補者
    (1)参議院比例代表選挙における日本医師連盟の推薦候補者については、広く会員の中から公募する。
    ただし、会員以外の者であっても、国政活動面において日本医師会の政策実現に貢献し得る候補者である場合は、応募することが出来る。
    (2)応募しようとする者は、複数の都道府県医師連盟の推薦を要するものとする。
    なお、各都道府県医師連盟の推薦候補者は1名とする。
    (3)日本医師連盟の推薦枠は、原則として1名とする。
    (4)候補者は、日本医師連盟委員長が公募する。
  2. 衆議院議員選挙候補者
    衆議院議員選挙に関する日本医師連盟推薦候補者については、都道府県医師連盟の要請があったものに基づき、日本医師連盟が決定する。
  3. 参議院選挙区選挙候補者
    参議院選挙区選挙に関する日本医師連盟推薦候補者については、都道府県医師連盟の要請があったものに基づき、日本医師連盟が決定する。
  4. その他
    その他、首長選挙、都道府県並びに市町村議会議員選挙に関する推薦候補者については、原則各都道府県医師連盟及び各郡市区医師連盟において対応するものとする。

「参議院比例代表候補者選出要領」

  1. 日本医師連盟は「参議院比例代表候補者並びにその他候補者の選考基準」に基づき、推薦候補者の公募を行う。
  2. 各都道府県医師連盟は、「参議院比例代表候補者並びにその他候補者の選考基準」に基づき、各郡市区医師連盟の意見を反映した上で、候補者を日本医師連盟に推薦する。
  3. 推薦候補者は、「経歴書(含む業績等)」、「マニフェスト」、「都道府県医師連盟推薦状」、「本人承諾書」を、日本医師連盟まで、別途定める時期までに提出するものとする。
  4. 推薦候補者は、「執行委員会」において多数決により決定する。
  5. 決定された推薦候補者は、日本医師連盟、都道府県医師連盟ならびに郡市区医師連盟の総意に基づくものであり、各医師連盟は、総力を挙げて推薦候補者を支援しなければならない。

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