日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2008/6/25(Wed.) 第49号 12・3/3 INDEX
安心で安全な医療体制の確立を!
 今回は日本医療懇談会、また医療政策研究会のメンバーであり、自由民主党社会保障制度調査会会長代理の田村憲久衆議院議員と、日本医療懇談会のメンバーであり、厚生労働副大臣の西川京子衆議院議員からご意見をお伺いいたしました。

安心で安全な医療体制の確立を!(写真)自由民主党社会保障制度調査会会長代理
衆議院議員(三重四区)
田村憲久先生

 平素より皆さま方には医療施策の推進に関しまして、大変お世話になっており、この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。
 現在の医療界を取り巻く状況は日増しに厳しくなっております。なかでも、医師不足・看護師不足等、医療の根幹をなす礎に疲弊が目立ってきているのが現状です。もともと、日本の医療は少ないコストで大きな成果を上げて参りましたが、この原動力は、何より現場の皆さまの頑張りに依るところが大きく、さらに言えば、かなりのご無理やご負担をお願いしてきたことと存じます。
 この現状において、これまでの経緯を鑑みますと、今以上の医療費の圧縮・削減はむしろ限界であり、今後のさらなる高齢社会を迎えるにあたり、財政優先施策による社会保障費のシーリング枠については、とくに見直しが急務であると考えます。まさに、これからが勝負の時でございます。医師の先生方のご意見をいただきながら、安心安全な医療提供体制の構築を目指し、豊かな国民生活を守るため、強い決意を持って、全力で取り組んで参ります。今後とも、なおいっそうのご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

安心で安全な医療体制の確立を!(写真)厚生労働副大臣
衆議院議員(福岡十区)
西川京子先生

 わが国の医療は、保険証一枚でのフリーアクセスが確保された世界に誇る医療制度でありますが、現在長寿医療制度を巡る混乱のほか、医師不足、救急医療の疲弊など、さまざまな課題を抱えています。誇るべき国民皆保険を守るため、関係者と意見を重ねている毎日です。
 こうした状況で、今こそ「医療を国民皆で支え、守る」ことを、まさに国民の皆さまに認識していただく必要があります。先日、厚生労働省がまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」にあるように、医療提供側の整備はもちろんのことですが、患者・家族である国民の皆さまにも、意識改革の推進が重要となっているのです。また、医療を守るためには、厚生労働省が画一的に作定するのではなく、現場・地域のイニシアティブを第一にすべきと考えております。そのためには、医師の先生方の現場の声を切に受け止め、地域でのご活躍に反映できるように対応したく存じます。
 最後に、当面の課題である社会保障費に関して、「医療にもっと財政投入すべき」と何度も発言して参りました。これについては、先生方のご協力のもと、今後も粘り強く訴えていき、国民が安心できる医療体制を確立できるよう全力を尽くす所存でございます。

政府・国会動静
※社会保障費関係について直近の動きを掲載。
日付 内容
6月12日(木) 政府の社会保障国民会議は、中間骨子案を公表。社会保障の機能強化について取り組むこととし、「社会保障に対する財源配分を見直すべき」と強調。「負担については国民合意を形成した上」としているが、具体的な財源確保には言及していない。
政府の社会保障国民会議に出席した唐澤人委員長は、社会保障費の2200億円削減に対して強く撤回を主張。中間骨子案「将来の財源確保は大きな課題」に対して、「現在の財源確保が必要である」と強く批判し、社会保障費抑制を撤回するよう求めた。
6月17日(火) 政府の社会保障国民会議は、「骨太の方針2008」の素案をとりまとめた。医師不足、救急医療、少子化対策などの重要な課題に取り組むとし、社会保障費の抑制とは別枠で予算確保を検討する考えを示した。
以上

Copyright © 2002 日本医師連盟 All rights reserved.