日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2008/6/25(Wed.) 第49号 1・23/3 INDEX
日本医師連盟執行委員会開催
第二次唐澤体制スタート
役員人事を全会一致で承認
組織強化のため委員会設置

(選挙対策委員会・規約改訂検討委員会)
 第二次唐澤執行部発足後、初の日本医師連盟執行委員会が、五月二十日(火曜日)、日本医師会館で開催された。役員人事、選挙対策委員会の設置、連盟規約改訂検討委員会の設置について審議を行い、原案どおり承認された。
日本医師連盟執行委員会開催/第二次唐澤体制スタート/役員人事を全会一致で承認/組織強化のため委員会設置/(選挙対策委員会・規約改訂検討委員会)(写真)

日本医師連盟執行委員会開催/第二次唐澤体制スタート/役員人事を全会一致で承認/組織強化のため委員会設置/(選挙対策委員会・規約改訂検討委員会)(写真) 羽生田俊常任執行委員の司会で開会。唐澤人委員長は政府の社会保障国民会議に出席し、現在問題となっている社会保障費抑制策について意見を述べるため、執行委員会を欠席せざるを得なかったが、唐澤委員長に代わり、竹嶋康弘副委員長が唐澤委員長の挨拶文を代読した。
 「天候の悪い中、全国から多数の先生方のご出席を賜り感謝申し上げる。本日は第二次唐澤執行部発足に伴う役員人事等についてご審議いただくが、円滑な議事進行にご協力をお願いしたい。
 この二年間を顧みると、五年間で国庫ベース一兆一千億円の社会保障費削減、医療制度改革関連法などすでに走り出しているものを修正すべく闘い抜いてきた。政府の医療制度改革など、依然として財政主導型で行われているが、今後の政府の舵取り次第では国民の負担増や医療の質の低下を招き、地域医療体制崩壊の道をたどるのではないかと強く危惧している。これらの問題について中医協の場で議論を尽くすことはもとより、夏前に、来年度予算編成に向け、「経済財政改革の基本方針2008」から年間二千二百億円の社会保障費削減項目をいかにして撤廃させるか、今まさに正念場を迎えようとしており、自由民主党をはじめとする政府与党に対し一大要請を展開していく。また、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)についても、制度の枠組みと診療報酬が混在していることを分けて議論すべきことは確かであるが、全国の医師連盟、および医師会に多大な混乱と迷惑をかけていることをお詫びする。
 多事多難ななかでの船出ではあるが、医療をとり巻く難題克服に向け全力で邁進していくので、全面的なご支援を切にお願い申し上げる(要旨)」

西島英利参議院議員挨拶
社会保障費削減阻止へ

日本医師連盟執行委員会開催/第二次唐澤体制スタート/役員人事を全会一致で承認/組織強化のため委員会設置/(選挙対策委員会・規約改訂検討委員会)(写真) 続いて来賓として挨拶に立った西島英利参議院議員は、長寿医療制度、医療安全調査委員会、社会保障費等の現状について報告した。
 「長寿医療制度に関しては、一部低所得者対策もしっかり行う方向で議論をしている。
  医療安全調査委員会に対しては、諸団体の意見もほぼ出揃った。一部理解が得られない部分はあるが、だいたい了承の方向に向かっている。六月十五日が会期末なので今国会での法案提出は厳しいが、大綱案の形で出したい。警察への通知に関しては、衆議院では大村秀章医療委員長が、参議院では私が、警察庁刑事局長に質問し答弁を得ている。
 社会保障費削減に関しては、自民党厚生労働部会を中心に大変厳しい状況になっていると認識している。六月末の骨太の方針2008に向け、二千二百億円の削減阻止に向け対応していきたい(要旨)」

粛々と議事進行
役員人事を承認

 議案審議に移り、まず日本医師連盟役員人事について審議が行われた。日本医師連盟規約に基づいて、詳細に説明。副委員長、常任執行委員をはじめとして、都道府県医師連盟が推薦した執行委員百十六名を全会一致で承認。また、会計責任者、会計責任者職務代行者、会計監督者、参与についても原案どおり承認された(詳細は別記事参照)。

参院選への胎動
選挙対策委員会の設置

 次いで選挙対策委員会の設置について審議が行われた。はじめに、宝住与一副委員長が「昨年の参議院比例代表選挙は残念な結果であった。昨年来、日本医師連盟執行部において、次期参議院選挙での獲得票数大幅増をめざすために「百万票プロジェクト会議」を四回にわたって開催し多くの意見が寄せられた。そのなかで、当面実施したいと考えているのが選挙対策委員会の設置である。しかるべき時期に、各都道府県医師連盟選出予定の委員と比例代表候補者の選考基準や具体的な選出方法、選挙戦略などについて話し合い、一定の方向性を見出していきたい」と説明。
 さらに、担当の内田健夫常任執行委員が、「昨年の失敗を繰り返さないためにもこの取り組みを強化していきたいと考え、今回の選挙総括と反省、新たなネットワーク構築、情報収集と提供、共有化の推進等について担当役員の間でディスカッションを重ねてきた」として、百万票プロジェクト会議における討議などを概説した。
 出席者からは、「選挙に勝つには、候補者が顔を見せることが大事。西島先生にはできるだけ多くの医師会を回っていただきたい。それが難しい場合は執行部が足を運ぶなどして、顔の見える選挙を展開すべきだ(熊本県)」との提言が寄せられた。また、「武見敬三参議院議員の落選は片腕を失ったようなもの。新たに医系議員をつくる考えはあるか(岐阜県)」との質問に対し、「大事なことは医師の発言を理解してくれる議員がどれだけいるかである。そのためにも、各選挙区から選出されている議員に対し理解を求める活動に取り組んでいただきたい」と訴えた。
 活発な質疑応答の後、採決に移り、満場一致で原案どおり承認された。

公益法人制度改革に伴う規約改訂検討委員会の設置

 続いて、平成二十年十二月に予定されている公益法人制度改革に伴う日本医師連盟規約改訂検討委員会の設置について審議が行われ、全会一致で承認された。同制度改革に伴い、日本医師会の「公益法人」移行が円滑に行われるべく、表裏関係にある日本医師連盟の規約について、現行の規約改訂に向けた委員会を設置することとなったもの。設置時期について宝住副委員長はできるだけ早期を考えているとして、「今後は都道府県医師連盟から選出予定の委員と現行規約改訂に向け一定の方向性を見出していきたい」と語った。
 最後に、竹嶋副委員長が「一昨年の十月から毎月一回、早朝に「日本医療懇談会」を開催(延べ十四回開催)し、日医連の全役員と自民党社会保障制度調査会、自民党厚生労働部会、衆参厚生労働委員会の会長、部会長、委員長らが一堂に会し、医療問題について鋭意協議を行っている。また、武見前参議院議員が厚生労働副大臣時に設けた若手国会議員による勉強会「医療政策研究会」でも医療問題について協議を重ねており、骨太の方針2008を重点として取り上げていくが、医系以外の国会議員に対しても全国各地域において働きかけていただきたい」と呼びかけを行い、散会となった。

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