三月十六日
厚生労働委員会(社会保障及び労働問題等に関する調査)
(1)福島県立大野病院の産婦人科医師逮捕事件と医師法二十一条の見直しについて、医療提供体制を確保するため医師法二十一条の改正または解釈の変更を早急に検討する必要があることを問題提起し、川崎二郎厚生労働大臣から「議論を進めていく時期を迎えている」との答弁を得た。
(2)診療報酬改定の影響について、中小病院、たとえば看護師数の少ない中小病院に関しては大変大きな悪影響を与える点数設定になっており、改定後の実態をしっかりウォッチしながら議論していくべきと指摘。
(3)高齢者医療制度の創設について、二〇二〇年に導入された時に推計値としてどれだけの医療費が適正化されるのかの検討をせず、今回の財政試算に織り込んでいない点を追及し、経済的な問題からだけでなく、とくに七十五歳以上の方々の終末期医療にどういうサービスを提供していくのか、慢性期医療にどういうサービスを提供していくのか等の議論をすべきと指摘。
(4)療養病床廃止の問題について、今老人保健施設が一杯の地域を考えた場合、本当にその参酌標準を変えて老人保健施設の数を増やしてくれるのかまったく担保がない。しかも参酌標準をつくるのは市町村であり、市町村にこれ以上いらないと判断された場合に国としてはどうするのかまったく示されない。現在療養病床に入っておられる方々や現実に経営される方々の不安を招かないよう、しっかりとした通知を出して説明をすべきと主張。
四月十日
決算委員会(省庁別審査)
冒頭、富山県射水市民病院の事件の問題の所在を示して、尊厳死、延命治療について早急に国が見解を示すべきであると指摘し、川崎厚生労働大臣から「回復の見込みのない末期状態の患者に対する治療行為を中止する基準について、ガイドライン、法律の両面で検討を進める」との答弁を得た。また、医療機関のレセプト請求を原則オンライン化する際のセキュリティー対策について正し、厚生労働省より「当面はインターネットでのやりとりはせず、一対一の専用回線を用いる」との答弁を引き出した。
五月二十三日
厚生労働委員会(健康保険及び医療法等改正法案の質疑)
(1)医療費の適正化の根拠とされている厚生労働省の医療費推計値(六十五兆円)について、一九九五年から五年間の実績による伸び率で機械的に算定しているが、なぜ三割負担や診療報酬のマイナス改定など大きな改革のあった直近五年間のデータで算出しないのかを追及。日医総研の試算が四十九兆円であることを指摘し、改革の影響も反映した形で推計し直すよう求めた。
(2)介護療養型病床の突然の廃止の根拠に使われた中央社会保険医療協議会(中医協)「慢性期入院医療実態調査」について、看護度の調査が医師の直接医療提供頻度として摩り替えられていた点を指摘。参酌標準を見直すなど介護施設への転換を保証するための周辺整備を早急に行うことも求めた。
(3)有床診療所の新規参入確保のための方策については、副大臣より「都道府県がへき地医療や在宅医療の充実に不可欠と判断した場合には、特例的に開設を認める制度を設ける」との答弁を得た。これまで特例は皆無だったが、今後は申請があれば必ず地方の医療審議会にかけて決定することになる。
(4)後期高齢者医療制度の導入による医療費適正化についての推計を行っていないことが明らかになり、これもきちんと推計値を出すよう求めた。
六月七日
厚生労働委員会(健康保険及び医療法等改正法案の参考人質疑)
参考人にお迎えした日本医師会副会長竹嶋康弘先生と健康保険組合連合会専務理事の対馬忠明氏は、中医協の委員でもいらっしゃるということで、新たな高齢者医療制度における診療報酬体系のあり方や介護療養型病床の廃止との関係で医療区分のなかに診療報酬の算定日数制限が最近突然追加されたことについて、ご意見を伺った。とくに介護療養型病床の問題については、対馬氏より「問題があれば議論するにはやぶさかではない」との答弁をいただいた。
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