日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2006/5/25(Thu.) 臨時増刊号 1・2/2 INDEX
日本医師連盟執行委員会
役員人事を全会一致で承認・新体制スタート
 新年度初の日本医師連盟執行委員会が、四月十八日日本医師会館で開催され、日本医師連盟役員人事を全会一致で承認した。また、来賓の武見敬三、西島英利の両参議院議員が、最近の国政動向について報告を行った。
役員人事を全会一致で承認・新体制スタート(写真)

 羽生田俊常任執行委員の司会により開会。冒頭、唐澤ヨシ人日本医師連盟委員長は次のように挨拶を行った。
 「本日は多忙にもかかわらず、日本医師連盟執行委員会に参集いただき、心より感謝申し上げます。本日の議題は日本医師連盟役員人事であり、充分なご審議を賜りたい。
 ところで、最近若い先生方を中心とした会員の医政活動離れが新聞等で報道されております。日本医師連盟としても、会員に医政活動等への積極的な参加を促す取り組みが必要と考えており、都道府県医師連盟の役員と協力しながら働きかけていきたいと考えておりますが、一歩でも二歩でも、会員の先生方とともに考え、行動するという姿勢をとって参りたいと思います。また、会員が地域医療に誠意をもって懸命に従事しているにもかかわらず、国民の評価が低いというジレンマもあります。国民の理解が得られるよう、日本医師連盟の医療政策・医療制度等を、会員はもとより、国民の代表として国政の場にいる方々に対し、さらに積極的に語りかけ、理解してもらうよう努めていきたいと考えております。
 医療制度改革関連法案の審議が始まりましたが、療養病床十数万床の削減など地域医療に大きな影響を及ぼす内容も含まれております。その根底には、財政優先策がありますが、国民は満足のいく医療を受けたいと願っており、国民のそうしたニーズに沿った政策の実現が望まれております。高齢になっても、住み慣れた地域で健やかに過ごせるよう、医療を提供するわれわれがしっかり主張し、国民医療を守っていくことが重要であります。政治を動かし、日本の医療を支えていくためにも、先生方の絶大なる支援と協力をお願いしたいと思います(要旨)」。
 続いて、来賓の武見敬三参議院議員と西島英利参議院議員が挨拶した。

役員人事を全会一致で承認・新体制スタート(写真)

医療費抑制施策に反論
医療の質・安全性等を最優先

武見敬三参議院議員挨拶(写真)武見敬三参議院議員挨拶
 「医療制度改革関連法案は財政的色彩の濃厚な法案であり、改めてその内容を精査し文言の確認を行い、運用の問題点を含め議論していく。そのうえで、可能な限り修正を行い、附帯決議にわれわれの意見を盛り込みたい。唐澤委員長も指摘したように、療養病床の議論が焦点の一つだが、入院患者が介護難民となるような事態は絶対に阻止しなければならない。
 先の診療報酬改定に際し、実際の医療費抑制効果を推計して、医療の質・安全性等への影響を検証する必要があるが、厚生労働省は参議院で本法案が採択されるまで動く気がない。こうした時にこそ、日本医師連盟の先生方に、データに基づいた推計値を提示いただき、医療の質の確保のための材料として使わせていただきたい。
 現在、市町村による国民健康保険制度の存続が疑問視され、県単位での運営の仕方について、近い将来議論が始まると思われる。政府管掌健康保険も、都道府県ごとに支部を設け独立性の高い保険者としての運用を行う見通し。また、公的医療機関について、今後都道府県立病院などを含め、地域医療のなかでの民間医療機関との連携等についての議論が始まる。
 六月には、次年度予算にかかる骨太の方針策定が始まるが、不必要に医療費の抑制等に関する議論を組み込ませないことが課題であり、医療にかかる財源をいかに守り抜くかが重要。また、消費税引き上げに向け、医業にかかる税制のあり方を議論し対策を練る必要がある。
 こうした医療制度にかかる政策決定においては、厚生労働省のみならず、総務省、あるいは都道府県レベルでの地方自治体との連携強化が強く求められている」。

薬事法一部改正
薬局との連携が重要

西島英利参議院議員挨拶(写真)西島英利参議院議員挨拶
 「本日、薬事法の一部を改正する法律案が参議院厚生労働委員会で成立した。そのなかの大きな問題は、一般用医薬品をリスクの高いものから順に三種類に分け、最もリスクの高い第一分類については、薬剤師がきちんと説明をして販売する形になることだ。今後、リスクの高い一般用医薬品が街の薬局でどんどん売られるようになると思われるが、最大の問題は健康被害である。今後、先生方と街の薬局との連携が非常に重要になる。
 もう一つの問題はスイッチOTCである。近年、医療用医薬品から一般用医薬品に変わろうという流れが強まっており、今後強い作用のある薬剤が次々にスイッチされてくる可能性がある。そうした情勢を踏まえ、日本医師連盟も安全性の確保が非常に重要であるとして、スイッチOTCに関しては、『慎重に検討されたい』旨の要望が出されていたことから、附帯決議にそうした文言を盛り込んだ。
 現在、与党のがん対策推進プロジェクトがスタートしており、私も委員として入ることになったが、日本医師連盟の政策を与党に投げ込んでもらいたいということで委員に加えられたと考えている。今後も日本医師連盟の医療政策を成果として実らせるよう武見議員と協力しながらしっかり頑張っていきたい」。

粛々と議事進行
役員人事を承認

 日本医師連盟規約により、唐澤日医会長が日本医師連盟委員長に就き議事を進行。さらに、同規約に基づいて、副委員長、常任執行委員等の承認を求め、全会一致で承認された(詳細は二面別表参照)。また、会計責任者には倉品克明(前新潟県医師連盟委員長)、同職務代行者に大輪次郎(前愛知県医師連盟委員長)、会計監督者に田中忠一(神奈川県医師連盟委員長)、寺田俊夫(前秋田県医師連盟委員長)、長田昭夫(前鳥取県医師連盟委員長)の各氏の就任が承認された。

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