日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2005/9/25(Sun.) 第34号 1・23/3 INDEX
日本医師連盟執行委員会開催
―医療に理解ある候補者を国会へ!―
 8月23日(火)、日本医師連盟は執行委員会を開催し、日本医師連盟会計責任者職務代行者変更と平成17年度交付金について協議を行い、全会一致で承認した。また、第44回衆議院議員選挙小選挙区候補者の日本医師連盟推薦についての討議も行われ、各都道府県医師連盟の推薦を尊重して、選挙戦に臨むことを決めた。
医療に理解ある候補者を国会へ!

 伯井俊明常任執行委員の司会で開会。冒頭、挨拶に立った植松治雄委員長は「本日は日本医師連盟会計責任者職務代行者変更、平成十七年度交付金、第四十四回衆議院議員選挙小選挙区候補者の日本医師連盟推薦等について協議いただくが、今回の総選挙は郵政民営化の賛否を問うものと位置づけられており、医師連盟の政策に直接関与するわけではない。われわれにとっての大きな命題である、医療改革をはじめとする社会保障改革の問題は、選挙終了後に持ち越されることになるが、選挙後改めて先生方と相談しながら、新たな運動を展開して参りたいと考えている。具体的には、前回の「国民医療推進協議会」を全国的に展開していくなかで、患者負担増あるいは医療費の抑制というものについては断固戦っていきたいと考えている。今回の総選挙についてはのちほど議論いただくが、日本医師連盟としては、各都道府県医師連盟の推薦候補者を推薦したいと考えている」と述べた。

重要課題が山積
―一人でも多くの議員の理解が不可欠―

 続いて、武見敬三参議院議員が「私自身、郵政民営化については、二十六万の国家公務員としての今の従業員体制、そして二百二十兆円に上る郵便貯金にかかわる資金活用のあり方、これらの問題をも加味して、この分野における効率的な体制づくりが必要と考え、民営化法案に賛成票を投じた。ところで、近年政府と自由民主党との間の政策決定のあり方が変わり、従来であれば、厚生労働関係議員の幹部としっかり連携をとって調整すれば、おおよそこちらの意向が組み込まれるという流れであったが、『骨太の方針』にしても、事前の内閣府と厚生労働幹部との調整は不調に終わり、内閣府の原案が、そのまま党の予算等合同会議に提出されているのが実情。その合同会議で発言した二十名の衆・参国会議員中、私と西島先生を含めた十八名が、社会保障に関わる議論で、政策目標を数値として経済と連動させることに反対意見を述べた。その結果、議論は差し戻しとなり、最終的にあのような形になったわけで、社会保障政策決定に当たっても、いかに多くの国会議員の理解を得られるかということが、政策決定過程の変化のなかで重要になってきたということである。今回の総選挙では、社会保障とりわけ医療に理解のある方を一人でも多く国会に送っていただきたい」と訴えた。
 西島英利参議院議員は「私もこの郵政民営化法案には、内容的にはいろいろ問題はあるものの、年末の診療報酬改定や医療制度の改革等課題が山積している状況のなかで、それらの円滑遂行を重視した結果、賛成票を投じた次第である。さて、今の若い先生方は、なかなか自民党でなければだめだ、ということを理解していただけないケースも見受けられる。しかし、今回の民主党のマニフェストには、医療に関してわれわれの神経を逆なでするような内容が含まれており、また過去にも、家庭医制度の創設等医療に関連したさまざまな問題があった」と述べ、こうした問題を若い会員にしっかり理解してもらうような活動が必要と指摘した。

医療に理解ある候補者を国会へ!

議案
―役員変更・17年度交付金につき全会一致で可決―

 武見、西島の二氏が退席後、植松委員長の司会で議事に入り、まず日本医師連盟会計責任者職務代行者変更について、寺岡暉副委員長より、「伯井常任執行委員の辞任により、規約第五条に基づき七月十九日の常任執行委員会の承認を得て、遠藤俊一先生(東京都医師政治連盟)に委嘱した」ことを報告し、この追認を提案。また、平成十七年度交付金について、櫻井秀也副委員長より、「総選挙における、小選挙区ごとの推薦等を勘案し、昨年同様に十七年度負担金の四〇%を交付金として各都道府県に戻したい」と説明。協議の結果、両議案とも満場一致で承認された。

議案
―総選挙候補者推薦で意見や要望等が続出―

 続いて、第四十四回衆議院議員選挙小選挙区候補者の日本医師連盟推薦について、宮崎秀樹副委員長が八月二十二日現在の都道府県医師連盟の推薦状況を説明し、「これらの推薦候補者は日本医師連盟としても推薦したい。一方、これから出される推薦候補者については、日本医師連盟執行部に一任いただきたい」と承認を求めた。質疑応答に移り、出席者からは以下のような意見が述べられた。
 *推薦に当たっては、混合診療問題や医政活動への協力度等を勘案のうえ、かつ今後の医政活動上の課題への取り組み姿勢等を明らかにしてもらったうえで、推薦候補者を決めたい(栃木県)。
 *産科医・小児科医・勤務医等の減少の背景には、診療報酬のマイナス改定等による経済的な死活問題がある。社会保障は、国民の生命を守る基本であることを候補者に訴えながら応援すべきである(茨城県)。
 *医療は市場経済になじまないとの理念を、今次選挙において強く打ち出すべき(岐阜県)。
 *国民皆保険制度堅持・混合診療制導入反対・営利企業の医療参入阻止・国民が安心できる医療予算確保・地域医療の諸問題に関して県医師会と協力し活動する、以上の五項目に賛同してくれる方を推薦したい(愛媛県)。
 *国民の最大の関心事は社会保障制度。大勢の国民が医療費等の負担増を心配していることを、自民党の候補者に伝えていく必要がある(石川県)。
 *真の二大政党時代の到来を前提に、今から自民党以外の政党に対し、社会保障に関する事前のレクチャーを積極的に開始すべき(奈良県)。
 *日本医師連盟としてのグランドデザインを確立してほしい。フラッグを掲げることで、若い会員もついてくるし、選挙も闘いやすくなる(高知県)。
 最後に、植松委員長が「本年二月より五カ月間、『日本医師連盟霞が関研修室』において開催した『各都道府県小選挙区担当責任者等と地元選出国会議員との懇談会』の成果をぜひ活かしていただき、実際に、応援弁士等目に見える形で選挙応援を展開していただければ、必ずや国会議員の協力は得られると考える。われわれにとってプラスになるような活動をお願いしたい」と訴えて、全会一致で承認された。

Copyright © 2002 日本医師連盟 All rights reserved.