日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2004/9/25(Sat.) 第30号 1・23/3 INDEX
日本医師連盟執行委員会
国民皆保険制度堅持に国民運動のうねりを
 日本医師連盟は、九月二十一日(火)、日本医師会館で執行委員会を開催し、第二十回参議院議員選挙結果等の討議を行い、数多くの質疑が出されたあと全会一致で承認された。
 とくに、「国民皆保険制度堅持のための国民運動」の提案は、混合診療の解禁等の動きに断固反対するために、地域住民等の参加による集会や署名活動を計画するものであり、今後、日本医師連盟の総力を挙げた活動展開を図っていく予定である。
日本医師連盟執行委員会

 伯井俊明常任執行委員の司会で開会、冒頭植松治雄委員長が以下のごとく挨拶した。
 「先の参議院選挙では前回を上回る二十五万票を獲得し、自由民主党五番目の得票数で西島英利君を参議院に送り出すことができた。偏に先生方の協力の賜物と感謝いたします。一方、医療をとりまく状況は厳しく、先般も小泉総理大臣が年末までの混合診療解禁を関係者に要請したといわれている。混合診療は医療の平等性を破壊するのみならず、国民皆保険制度を形骸化させるものであり、わが国の医療を守るためにも、国民皆保険制度堅持に向けた運動を強力に推し進めていかねばならない」
 続いて、今回の参議院選挙に当選した西島英利参議院議員より、「今回、全国の先生方の強力なご支援により無事当選させていただき、感謝にたえません。国会は休会中だが、自由民主党内では各部会が開かれ、概算要求の問題や地方分権化にむけた三位一体改革等の問題点についての議論が行われている。武見議員と連携して、先生方が安心して医療を提供できる環境づくりに全力で取り組んでいるが、国会議員の支持を得るには先生方の強力な活動が不可欠。いっそうの支援をお願いしたい」との挨拶があり、引き続いて武見敬三参議院議員より「時局は複雑化し、概算要求にしても地方分権化改革についての議論が知事会で具体化し、厚生労働省が補助金を削減した場合には概算要求の中身を大幅に組み替えることになる。また、株式会社参入と混合診療の問題が十二月に最初の山場を迎えるが、十二月に混合診療の方向性が示され閣議決定されると、来年度の診療報酬改定議論の最初の山場は年内となる。この事態を深刻に受け止め、今その対応策を進めている」との医政情勢が報告された。

議案
 
植松委員長が議長となり、協議を行った。

一、日本医師連盟役員人事
 
伯井俊明氏への常任執行委員委嘱、大阪府医師連盟所属若林明氏への会計責任者委嘱、伯井氏への会計責任者職務代行者委嘱について櫻井秀也副委員長が説明を行い、満場一致で承認された。

二、第二十回参議院議員選挙の結果
 櫻井副委員長が、「今回選挙では前回と比較し得票数が約二万三千票増えた。自由民主党比例区公認候補得票順位、全候補者中の得票順位も前回の八位と二十二位から五位、十三位に上がった。もっと票がほしかったとの思いはあるが、成果は充分あったのではないか。また、いわゆる組織票が軒並み減少するなか、日本医師連盟と経団連のみが増やしている」と総括。執行委員からは「票数が物足りない」「常時臨戦態勢の意識をもつべき」といった今後の医政活動につなげる意見が相次いだ。

三、若手会員研修会メンバーと国会議員の懇談会
 宮崎秀樹副委員長が「若手会員が一堂に会しての研修会を開いてもそれで終わることが多い。地元選出の議員と膝を交えて話をし、地域に帰り会合をもつシステムをつくらないと効果は上がらない」と小選挙区ごとに分けた若手研修会開催の提案理由を説明した。

四、平成十六年度交付金
 寺岡暉副委員長より、平成十六年度交付金は、平成十四年度と同水準である負担金の四〇%としたいとの説明があり、承認された。

五、国民皆保険制度堅持のための国民運動
 植松委員長および松原謙二常任執行委員より、「小泉総理大臣の手法に対抗するには国民の理解と支援を得た運動が必要である」として、「日本医師会に国民医療推進協議会を立ち上げる。都道府県においては付き合いのある団体をまとめ、混合診療に反対し、国民皆保険制度堅持の運動を展開する。郡市区医師会においては、全会員に問題点を説明し、認識してもらうための場づくりを提案。そのうえで、医師の最大の武器は国民と直接話ができることであり、現在作成中の新たなパンフレットを配布し、国民の理解を深めてもらうとともに、集会開催や署名運動に取り組んでほしい」と訴えた。これに対し、「故武見会長時代の保険医総辞退に匹敵する大運動である」といった賛同意見が数多く述べられ、執行委員一同、国民運動に向け総力戦で取り組んでいくことを決意し、散会となった。

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