日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2004/6/25(Fri.) 第29号 抜粋記事 1・2/2 INDEX
日本医師連盟若手会員研修会
医療改悪阻止に向けたさらなる闘いを
 六月六日、日本医師連盟は都内のホテルにおいて若手会員研修会を開催した。当日は全国から五百余名の若手会員が結集、わが国の医療行政の問題点や日本医師連盟として取り組むべき課題などについて闊達な討議を繰り広げた。
 冒頭、植松委員長は悪天候にもかかわらず大勢の若手会員が集まったことに謝辞を述べるとともに、内閣府を中心に医療改革と称し医療費の抑制と患者負担増を図る動きのあることを批判。さらに、六月四日に閣議決定された「経済政策運営と構造に関する基本方針2004」について、その中身は社会保障の伸びを抑えることにあると指摘し、悪しき流れは断固として断ち切っていかねばならないと訴えた。

 続いて、「医療制度抜本改革の現状と展望」と題し宮崎副委員長と武見参議院議員が講演。宮崎副委員長は「経済財政運営と基本構造に関する基本方針2004」の内容の問題点を取り上げ厳しく批判。とりわけ「潜在的国民負担率」と称してこれを国の赤字に組み入れ、国民に押しつけるという諸外国にはみられない姑息な手法に対し武見議員とともに強く抗議した結果、現在政調会長預かりになっていると説明。また、高齢化に伴う医療費等の自然増に対する抑制を打ち出していることについて、絶対に認めることはできないと強く主張した。

 武見議員は今回の年金改革は社会保障全般を見直すきっかけにすぎないとして、今年後半には介護保険の見直しが始まり、来年後半には高齢者を対象に独立した医療保険制度の創設に着手していくことになると予測。さらに、財務省が目論んでいる軽度の医療に対する公的医療保険外しについても触れ、今後公的医療保険の見直しの中でこうした動きが確実に顕在化してくると述べ、全力をあげて歯止めをかけていかねばならないと呼びかけた。

連盟会員に訴える植松委員長

 質疑応答に移り、若手会員からは「反対という守勢に回るだけではなく、医師連盟が案をつくり攻勢に打って出る必要がある。そのうえで、時には政府と差し違えるつもりで交換条件をつけてはどうか」「マスコミを使って医師連盟の意見を国民に広くPRすべきである。そのためにも、もっとマスコミにアピールしていく必要がある」といった今後の取り組みに向けた積極的な意見が数多く寄せられた。

 また、当日参加の常任理事は、「今、医療の質を無視した医療費抑制策が進められているが、世界が認める最高峰の医療制度であるわが国の公的医療保険制度は断固として死守しなければならない」と参加者のいっそうの理解と支援を訴えた。

以上

Copyright © 2002 日本医師連盟 All rights reserved.