日医連ニュース
日本医師連盟ニュース
2003/6/25(Wed.) 第25号 抜粋記事 1・2/2 INDEX
第2回若手会員研修会
自分たちの力で日本の医療を変えていく強い意気込みに会場が燃えた
分科会討論で激しいバトル
 第二回若手会員研修会での分科会討論は、出席者をAとBの二グループに分けて行われた。分科会討論には、日本医師連盟役員ほか来賓の宮崎秀樹、武見敬三の両参議院議員も参加するエネルギッシュなディスカッションとなった。分科会討論後の報告では、出席者からの質問、意見が相次ぎ、終了時間を大幅に超過するほどの盛会となった。

第2回若手会員研修会分科会討論Aグループ
 Aグループの討論には、糸氏、関原の両副委員長ほか八名の常任執行委員と宮崎参議院議員が参加した。冒頭、宮崎参議院議員があいさつに立ち、「五月二十八日に開かれた経済財政諮問会議において、総合規制改革の座長であるオリックスの宮内氏が、特区の重要項目というとんでもないものを出してきた。そのうちの、四項目は株式会社の参入や混合診療、医師看護師の派遣等医療に関連したことで、これには坂口厚生労働大臣も激怒し、国民皆保険制度をつぶす気かと食らいついた。われわれも、医療基本問題調査会の幹部が集まり、党として徹底的に反対する、一歩も引かないことを決めた。しかし、三割負担の時も私と武見先生は欠席したが、ほかの人は逃げてしまった。あの時、みんながついてきてくれれば法案はつぶせた。一人での多くの議員をわれわれの側に引きつけるためにも、日頃の医政活動により積極的に取り組んでいただきたい」と医政活動の重要性を強調した。続いて討論に移り、次のような活発な意見の交換が行われた。
[会場]今、危惧しているのは保険者と医療機関の直接契約。新聞にも出ているように、一点十円とは限らない。もし、七円になれば、百円の薬を九十五円で仕入れ、消費税分五円を払うのに対して、七十円しか入ってこない。これは言語道断である。それから、もう一つ、医政活動への関心を高めるのは執行部の役割と思うが、どうか。
[宮崎議員]一人ひとりの医師連盟員が医政活動に取り組むということに重要な意義がある。たとえば、柔道整復師会というところは、選挙になったら死に物狂いでやる。自ら進んで地元の選挙事務所に出向き、患者さん宅に電話をかけている。だから、彼らが会を開くと熱心な大勢の議員が集まるし、現実の問題として彼らの点数は整形外科よりも高い。医師会はというと、先の武見先生の選挙でも二十二万七千票しか出ていない。かつては医師会の代表は百万票をとったのに、これでは見下される。医政活動を執行部が行うのは当然としても、会員一人ひとりが強力にバックアップしようという姿勢が、今こそ求められている。
[会場]医政活動に関心をもってもらうには、もっと議論の場を増やす必要がある。たとえば、郡市医師会レベルにサテライトの受信機を置いて、こういった会を郡市医師会レベルでもみられて、意見が出せるようにしてはどうか。
[羽生田常任執行委員] 現在、都道府県医師会を光ファイバーで結び、会議ができるよう準備しているところである。

[会場]本日の出席者は、全員、衆議院小選挙区から選ばれてきている。地元選出の代議士がいるわけだから、その代議士のところに行って話をするのが一番大事ではないか。それから、医師会、歯科医師会、薬剤師会が集まって、選挙前に代議士に医療についての話をさせる。代議士の多くはほとんど何も知らないと思うので、そこのところをしっかりレクチャーする。それと、人間の数をみせる。これが、一番怖いのではないか。

第2回若手会員研修会分科会討論Bグループ
 Bグループの討論は、石川副委員長ほか七名の常任執行委員と武見参議院議員が参加して行われた。冒頭、あいさつに立った武見議員は「大きな仕掛けを動かす際には、厚生労働分野に専門的知見をもたない議員を、いかにしてわれわれの主張にそって行動してもらうかが大事である。その際の根本となるのはそれぞれの選挙区における医療関係者の集票能力である。前回の参院選挙では、政党名と個人名を記入する方式が初めて導入され、自由民主党の場合は十万票であった。次回は四十万票になるといわれており、それをクリアするための政治的な基盤づくりが求められている。そのために、汗をかき、時には頭も下げ、嫌な思いをすることも多々あると思う。しかし、そうした積み重ねのなかで、政治的な基盤が確立され、説得力と影響力を行使できることを理解いただきたい」と地域での医政活動に対しさらなる奮闘を要請した。続いて、フリーディスカッションが行われ、次のような意見や質問が寄せられた。
[会場]次に何をするかということが議論になるが、医師会の基盤をもう少し考えるべきだと思う。まず、情報を開示し会員が問題を共有化することで、何をすべきかをみんなが考えるのではないか。また、それによって組織を強化することにより、日医が理念をもって何か行うという時に、初めて会員も応えて動くのではないだろうか。
[会場]同感である。たとえば、レセプトの査定や医薬分業など、その活動や決定に至るまでのプロセスを全国の医師連盟会員に知らしめる手段を講じ、情報を共有できるようにしてほしい。会員が一体感をもち、患者や地方議会の議員を納得して説得できるようにするためにも、日本医師会の情報を伝える仕組みをつくってほしい。
[石川副委員長]たいへん貴重な意見をいただいた。とくに、医師連盟の基盤というものは会員の先生方全体であって、何も役員だけが基盤ではない。会員の意見を吸収して、政策提言などを行うのは執行部の責任だが、いろいろな意見を賜る場をつくることが大事だと考えている。

第2回若手会員研修会分科会報告でも意見、質問が続出
 分科会討論終了後、報告が行われたが、ここでも会場から意見や質問が続出した。また、一月二六日第一回の若手会員研修会後に、若手医師が集まり討議を行った地域もあり、次のような事例報告がなされた。
 「二月に県の委員と医師連盟の常任執行委員が集まり会をもったが、ディスカッションが充分にできなかったという不満が多く出た。今回は討議の時間を特別に設け、委員長の話も短く簡略してよかったと思う」
 「われわれの医師連盟では六年前から、このような委員会を立ち上げているが、医師連盟に入ってほしいといっても『何もしてくれない』という声があり、つらい思いをしている。やはり、中央にあっては医師連盟の組織の基盤をしっかりつくってほしい。また、勤務医をもっと医師連盟に取り込んでほしい。それから、いくら医師連盟がいいことをやってもマスコミは取り上げてくれない。マスコミ対策をしっかりやってほしい」
 そのほかにも、さまざまな意見が相次いだが、最後に羽生田常任執行委員が「第一回の研修会の時にも話したように、地域で同様の会を計画する場合には執行部、あるいは国会議員に可能な限り声をかけて出ていただくようにする。その点を理解のうえ、地域でこうした会を開催し、中身の濃い議論をしていただきたい」と閉会の辞を述べ、散会となった。

以上

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